芸術活動が非常に盛んな、オーストリアチロル州の州都であるインスブルックで開催される、ピアノのための夏期講習です。受講に年齢制限はなく、オーディションもないという気楽さにもかかわらず、指導あたる教授たちは超一流の方々ばかり。20世紀を代表するピアニストであるエミール・ギレリスに学んだ、ウィーン国立音楽大学元教授で現在アメリカ・ベイラー大学音楽学部教授のクラジミーラ・ヨルダンや、イタリアの巨匠ミケランジェリに教えを受けた、ウィーン国立音楽大学とウィーン市立芸術音楽大学（旧ウィーンコンサヴァトリウム私立音楽大学）で教鞭をとるトーマス・クロイツベルガー教授などの講師陣が、個人レッスンとマスタークラスで、受講生たちにインスピレーションを吹き込みます。開催場所は、地元インスルブルックにあるチロル州立音楽院ですので、練習のための施設はバッチリ。受講生の人数により変更される場合もありますが、受講生ひとりにつき、1日およそ3時間程度の練習時間が確保されています。レッスンは、期間中にプライベートレッスンが4回と公開レッスンが2回あり、レパートリーは自由。曲の長さなどにもよりますが、2〜6曲程度をみてもらうことができます。そして講習会最終日には、受講生が出演するファイナル・コンサート。教授に選ばれた受講生のみ出演できるのですが、なるべく全員が出演できるように配慮してもらえます。最後に、この講習会の特徴をもう１つご紹介。ヨーロッパの文化に触れることも音楽の勉強の一つだ、ということで、近郊都市、ザルツブルグ、ドイツのガルミッシュ＝パルテンキルヒェンへの日帰り旅行や、有名な観光スポットはもちろん、著名作曲家の家や、世界的な美術館、文化遺跡などを現地の参加者同士で見て回ることができます。音楽だけではなくさまざまな本来のオーストリアの歴史や文化を体感してください。