夏には多くの観光客が訪れる南フランスの町、ヴェゾン・ラ・ロメーヌで、15日間に渡って開催される講習会です。上級アマチュアやプロを目指す音高・音大生、現役ミュージシャンなどが対象です。1995年から10年以上もの歴史を持ち、世界20もの国から受講生が参加しているこの講習会の大きな特長は、受講生同士が競争意識を燃やすのではなく、互いの交流の中で知識や経験を交換し合うことを理想としていることでしょう。そのため、各楽器（コントラバス、チェロ、ヴァイオリン、ピアノ）のマスタークラスや個人レッスンに加え、室内楽曲やオーケストラ曲の抜粋、そして互いに協力し合って作り上げていくワークショップなどに力を入れたスケジュールとなっています。また他にも、初見演奏の講座や古音楽入門講座、若い教師や教師を目指す人を対象とした教授法のワークショップなど、多彩なプログラムが予定されています。４人の講師陣は、いずれもその道の第一人者。ピアノを担当するのは、ジュリアード音楽院で学び、ヨハン・ゼバスティアン・バッハ国際コンクールなど数々の国際コンクールで入賞している、カルガリー大学音楽学部教授マリリン・エングル、ヴァイオリン・ヴィオラは、ドロシー・ディレイにジュリアード音楽院で師事し、メニューインなどのマスタークラスを受講している本講習ディレクター、マリー・クリスティーヌ・マルティニー=マイロン、チェロは、バロックと現代を得意にしているカルガリー・フィル首席フィリップ・ハンセン、コントラバスは、生粋のニューヨーカー、ジュリアード音楽院でホーマー・メンチに学び、現在パリ国立高等音楽院とパリ地方音楽院の教授リチャード・マイロンが直接指導します。期間中は受講生が出演するコンサートシリーズが組まれていますので、パフォーマンスの機会はたっぷり。また、この町で有名な観光名所を巡るツアーや文化活動なども日程に入っています。美しい街の講習でゆっくりと音楽に浸ってみませんか？