堀野開さん/ギター/バークリー音楽大学ギターセッションコース/アメリカ・ボストン
堀野開さんプロフィール
10歳頃ビリージョエル、クイーン、レッドツェッペリンを聞いて洋楽に目覚め、父親に基本的なコードを教えてもらいながらギターをはじめる。
高校入学後、約半年掛けてネットなどでバンドメンバーを捜し、現在のバンドReckless Rush を結成、活動中。
-では、自己紹介をお願いします。
堀野 堀野開(ほりのかい)です。17歳です。両親の影響でずっとロックを聴いていました。ギターは小学校5,6年生の時に父親から教えてもらいましたが、中学生になって本格的に自分で勉強しながら覚えました。現在、バンド活動をして1年ほど、ギタリストです。
-過去に講習会に参加されたことはありますか?
堀野 いえ、今回のバークリーが初めてです。
-今までに海外へ行かれた経験はありますか?
堀野 叔母がベトナムの方と結婚をして住んでいるので、ベトナムには3回ほど行っています。他は、英語の習得プログラムで10日間ほど、イギリスへ行きました。
-今回の講習会である「バークリー音楽大学ギターセッションコース」に参加されたきっかけを教えて下さい。
堀野 バークリー音楽大学のことは、好きなバンドのミュージシャンの出身校だったので知っていました。実はこのプラグラムについては、母がインターネットでみつけてきて僕に勧めたのです。勧められたものの費用もかかることですし、気軽には決められないと悩みましたが、行くことによって変えられることがあるかもしれないと、あらためて両親にお願いしました。
-実際に行ってみて、何か変わった事とかありましたか?
堀野 変わったと思います。今までの海外経験は周囲も日本人で安心でしたが、今回はすべて自分ひとりでこなさなきゃならない、今までとは違った経験でした。お陰で困ったときの対処方法もわかりました。アメリカはフレンドリーな国で気軽にしゃべりかけることが出来て良かったです。ギター面では、本場のミュージシャンの方たちとの交流がとても勉強になりました。
-参加者はどのくらいの人数ですか?
堀野 僕が参加したギターセッションで100人以上はいたと思います。
-参加者はアメリカの方がほとんどでしたか?
堀野 7割くらい、ほとんどがアメリカ人だと思います。あとはイギリスなどヨーロッパの人たちが多かったです。
-講習会のスケジュールは、どんな感じで組まれていましたか?
堀野 主に3つの授業に分かれていて、1つ目がコードの仕組みなど音楽理論に関する講座で、2つ目がセッションの授業でプロのセッションミュージシャンと合わせていきます。3つ目は自分が選んだ題材をもとに、みんなでリフを弾いたり仕組みの説明があったりする授業です。僕はクラッシックロックを選びましたが、各授業1時間半です。
-毎日そんな感じで授業があるのですか?
堀野 毎日あります。講習会のラストの日はセッションコンサートのライブが2時間目にあって、セッションミュージシャンとのリハーサルそしてライブと続きます。最後に奨学金の説明会がありました。
-セッションコンサートでは、ギター以外の生徒さんも参加されるんですか?
堀野 ベースやドラムはセッションミュージシャンの方が担当し、ひとりずつ必ずギターソロが出来るようになっていてアレンジをしていきます。クラス自体は5、6人です。
-かなり盛り上がりそうですね。
堀野 すごく盛り上がりますね、音に乗る、グルーブ感があって気持ちよくプレーが出来ます。
-他の参加者の方々は、やはりバークリー音楽大学に入学したい方がほとんどですか?
堀野 そうですね、バークリーに入りたい人が多いです。僕はイギリスの音大に入ってアメリカと比較してみたいとは思います。
-担当の先生はどんな方でしたか?
堀野 当然なんですが、3人ともすごく上手くてプロから先生になったような方ばかりだと感じました。英語に慣れていなかったので、音楽理論の授業は少し辛く感じましたが、セッションはとても楽しかったです。50代位の先生だと思いますが、とてもフレンドリーで、先生と生徒が対等な感じがいいなと思いました。
-セッションの授業で印象に残っていることはありますか?
堀野 特別な説明はなかったのですが、とりあえずみんなに任せるという感じでした。実際にプロのセッションミュージシャンと合わせることによって、グルーブの出し方をなんとなくつかめた感があります。
-そのグルーブというのは大切ですか?
堀野 はい。日本とアメリカでは随分違うしとても勉強になりました。
-授業以外では何をされていましたか?
堀野 時差ぼけがなかなか治らなくて寝ていました。解消法を聞いていなかったのが原因です。少し良くなってからは、近くを散歩してハンバーガー屋や楽器屋さん、CDショップやおみやげ屋さんをぶらぶらしました。
-友だちはできましたか?また友だちとはどのように過ごしましたか?
堀野 同室の人とは友人になって、部屋でご飯を食べたり一緒にジャムセッションをしたりしました。
-楽しそうですね、街の治安はどうでしたか?
堀野 思っていたより良かったです。ホームレスの人たちも見かけましたが、大丈夫でした。
-滞在中、どこか遊びにいきましたか?
堀野 最終日の前日に、バークリーの生徒さんに(彼はプログラムの期間の案内役的な方でした)ハンバーガー屋で声を掛けられて仲良くなりました。ニューベリーストリートにある雑貨屋でおみやげを買ったり、向こうで友だちになった日本人と一緒に街で大きな楽器屋に遊びに行ったりしました。
-ボストンの中心街のダウンタウンは大きいですか?
堀野 通り自体は大きくないですが、店はたくさんありました。
-学生寮は快適でしたか?
堀野 僕自身は良くなかったです。ルームメイトと2人一部屋なので、なかなか自分の時間が取れなくて。
-設備的にはどうでしたか?
堀野 とてもシンプルでベッドと電気と机しかありません。洗面道具やタオルなど細々としたものは、自分で用意をして持ち込みをしなくてはなりません。不便なこともありますが、入寮した方がムダもなく友だちが出来ますよ。
-食事は学生寮で取られたのですか?
堀野 はい、時間が決まっていてバイキング形式です。朝は8時から10時までで、サラダやフルーツ、コーンフレイクなど意外にヘルシーでした。自分で選べるので良かったです。ハンバーガーやソーセージなども食べ放題でした。味は普通です。
-海外の人たちと上手く付き合うコツはなんでしょうか?
堀野 自分から話しかけることです。ずっとイヤホンをしていないで、自分から質問をして頑張って話かけることです。そして挨拶をすることです。
-素晴らしいですね。
堀野 自分から積極的に進んで行かないとダメです。せっかく両親が応援してくれるのだから、かけた費用以上のものを学びとって帰らないともったいないと感じました。
-逆に困った事はありましたか?
堀野 移動です。学生寮での必要な荷物が多くて、50キロ前後のキャリーケースとギターを入れたハードケースを両手に持って、空港からバスそして電車ととても大変でした。それにアメリカでは、日本のように運転手は待ってくれないし戸惑うばかりでした。とにかく、大きな荷物を持ってウロウロでしたね。でも親切な外国人の方がいたので、道がわからない時でもたくさん訊きました。とにかく、コミュニケーション能力を高めなきゃいけませんから。それから、学生寮ではインターネットが使えない環境なので、それも不便でした。日本のように自宅で道を調べることもできず、スターバックスまで出かけてやっとインターネットが繋がる状態でしたね。なので、プリペイド携帯の契約時にネット契約がオプションなどである場合は、しておいた方がいいです。
-参加して良かったことや、成長を感じた事はありますか?
堀野 ギターもそうですが、コミュニケーション能力が高まったように思います。自分でもとても積極的になったと感じます。音楽的にはアメリカのグルーブがとても勉強になりました。
-先生からはグルーブについて何か講義がありましたか?
堀野 特には言われなかったです。テクニックなどの理論は講義にありましたが、グルーブについては語らなくても体で感じるというか、体から出ているような、そんな感じでした。
-音楽以外に日本とアメリカとの違いで何か感じたことはありますか?
堀野 アメリカのいいところは、先生と生徒が対等な立場であることだと思います。日本は丁寧で案内なども親切ですが一方で時間に厳しくてきっちりとしていてますが、僕にはアメリカのラフなところが合っていると感じました。ただ、アメリカでは、電車やバスまた階段などの施設がアメリカサイズで大きいので、日本人には不便です。あと、運転も日本と違って荒くて大雑把だとは感じました。
-今後留学を考えている方に何かアドバイスはありますか?
堀野 積極的になることです。そして英会話も道の尋ね方など実践的なフレーズを覚えておくといいと思います。音楽的なことでは、日本の音楽だけにこだわらないで例えばロックでも海外の音楽をたくさん聴いていた方が、課題が出されたや友達との会話の時も困らないと思います。選択する音楽の種類にもよりますが、アメリカのロックはグルーブが優先です。僕は英米ロックしか聴かなかったからスムーズに溶け込みましたが、聴いていなかったら困ったかも。
-では最後に今後の活動の予定や目標を教えてください。
堀野 今のバンドはアマチュアですが精力的に活動しています。ただ今後は機会があれば、ベトナムに行って向こうでバンド活動をしてみたい、そして場数を踏んで将来的にはイギリスかアメリカ、フランスの音楽学校へ行きたいです。