竹内律子さん/ピアノ/プラハ室内楽マスターコース/チェコ・プラハ
音楽留学体験者でなくては分からないような、音楽大学、音楽専門学校、音楽教室のコースプログラム、夏期講習会、現地の生活情報などを伺ってみます。将来の自分の参考として活用してください。
竹内律子さん-カレル橋にて
竹内律子さんプロフィール
作陽音楽大学音楽学部教育音楽学科卒業。くらしき作陽大学音楽学部音楽専攻科修了。現在中学校教員。2008年プラハ室内楽マスターコース&フェスティバル参加。
-初めに簡単な略歴をお願いします。
竹内 4才からピアノをはじめました。作陽音楽大学のピアノ専攻を卒業しまして、くらしき作陽大学音楽学部音楽専攻科ピアノ専攻を修了しました。卒業後は就職して、合唱団にピアノで所属したり、ソロで演奏活動をして、仕事をしながら音楽を続けています。
-講習会に参加された経験はありますか?
竹内 全然ありません。今回が初めてです。
-いつごろから参加を考えていましたか?
竹内 前々から、漠然とですが海外に留学したいなとは思っていました。室内楽をちゃんと勉強したいという思いがだんだん強くなっていて、今回の講習会は、一人でも参加できて、室内楽を勉強できるし、ソロもみてもらえる、というので参加を決めました。仕事の日程がついたのも参加を決めた理由です。
-これまで室内楽を勉強されたことはありましたか?
竹内 ちゃんとしたかたちで勉強したことはありません。ただ、オーケストラにバイオリンで所属していたこともあり、弦の方や管の方とアンサンブルをさせてもらう機会もあって、楽しいなって……。それで、ちゃんと勉強したいなと思いました。
講習会の仲間とお城へ
-講習会にはどういった方が参加されていましたか?
竹内 学生の方が多かったですが、私のような社会人もいました。
-同じ期間にどれくらいの人数の方が来ていましたか?
竹内 今回は53人でした。
-どこの国の人が多かったですか?
竹内 一番多いのがアメリカで、次は台湾でした。あとは、イタリアやフランス等から来ていました。
-日本人は何名でしたか?
竹内 自分を含めて6人でした。
フランク先生(Fg)と
-それだけ日本人が少ないと、ヨーロッパの雰囲気は味わえましたか?
竹内 そうですね。日本人の方は各国に留学されている方が3人でした。日本から参加したのは3人だったんですけど、皆さん英語も堪能で、分からないときは教えてもらったりしました。
-レッスンで通訳がいなくて、大変なことはありましたか?
竹内 レッスンで困ることはなかったですね。英語だったんですが、難しい単語でバーッと話されても、こちらがあまり理解していないようだと、簡単な単語に直して、ゆっくり話してくれたりしたので、英語で困ることはなかったです。
-すごくやりやすかったんですね。
竹内 そうですね。
テレサ(P)先生と
-今回、2名の先生のレッスンを受けたかと思いますが、それぞれの先生のレッスンについて教えてください。まず、テレサ・エールリヒ先生はいかがでしたか?
竹内 テレサ先生には、ピアノクウィンテットをみていただきました。エイミー・ビーチのピアノ五重奏でした。グループのコーチだったんですけど、目をかけて下さり、個人的にも見てあげるよ、と言ってくださり、個人レッスンでも教えていただきました。テレサ先生はとてもやさしく温かい人です。
-レッスンはいかがでしたか?
竹内 運動や手の運びなどのテクニックや曲の解釈など、とても熱心に指導して下さいました。一つ一つを丁寧にみて下さり、理論的でとても分かりやすかったです。どうしてうまくいかないのかとモヤモヤしていたところがスッキリしました。先生に教えていただいた後は、自分の音(音楽)が色彩をもった響きに変わっていったような気がします。
-弾き方を提案してくれたり、説明して教えてくれるんですね。
竹内 そうですね。
-先生の教えで印象に残っていることはありますか?
竹内 「ここの音は、こういう気持ちの持っていきかた」と、言われたことです。
-「気持ちのもっていきかた」というのは、曲全体を通してですか?
竹内 全体の時もあるし、基本的に……小さなまとまりの時もあります。
-大きくも細かくも見てくださる感じなんですね。
竹内 そうですね。
学校の中庭
-もう一方のフランティシェク・マリー先生の進め方はいかがでしたか?
竹内 マリー先生は、まず自分が思うように弾いてみなさい、と。その後に先生が弾いて下さいました。表現方法など、いろいろなアドバイスを下さりトライしてみるように言われました。それで、やってみるんですけれど、なかなかすぐに対応できませんでした。それでも根気強くじっくりみて下さいました。個人レッスンはだいたいの時間が決まっているみたいなんです。先生はとてもお忙しい方だったのですが、時間が許す時は、2時間ぐらいみっちり教えて下さることもありました。
-先生はどんな印象の方ですか?
竹内 穏やかな印象です。私は、英語が堪能じゃなくって、先生もどちらかといえば英語よりは独語の方が良かったそうですが、お互い英語で頑張っていました(笑)。でも、伝えられないっていうときには、弾いてくださるんです。ペダリングの速度やタイミングとか、弾きながら教えてくださいました。
-先生の弾く音楽はいかがでしたか?
竹内 オーラがかかっていました(笑)。重厚でそれでいて繊細なんですけど、包み込むような音でした。オープニングのコンサートがあって、そのときにマリー先生も弾かれたんですが、それを聴いて、受講生みんなファンになりました。
-その時は何の曲を弾かれていたんですか?
竹内 シューマンのピアノ五重奏だったと思います。
-レッスンの中で弾いてくださることはありましたか?
竹内 もちろんありました。まず先生が弾いてくださって、そのあと私にやってごらん、と。
-テレサ先生の演奏はどうでしたか?
竹内 スッキリしていて、音がクリアな感じで、でも、人間的温かさを感じる音でした。
-二人の先生の音や音楽観は異なっていましたか?
竹内 曲のタイプが全然違う感じだったので、なんとも言えないですけれども……。でも、どちらもすばらしい演奏でした。お二人とも音楽も、音楽に対する姿勢も、人間としても、とても尊敬できる方々です。
-講習会で複数の先生にみてもらって大変なこと、よかったことを教えてください。
竹内 今回はマスタークラスだったので、基本は、グループのレッスンでした。自分は4グループ持っていたので、ハードでした。でも、せっかくの機会なので、個人レッスンも受けることにしました。忙しかったけれど、すごく充実していてよかったです。室内楽のマスターコースは個人レッスンを絶対とらないといけないというわけでもないんです。自分で選択して、自分で受けていくかたちでした。
-自分次第なんですね。
竹内 そうですね。
受講生と共に
-室内楽のグループの人たちとの交流はありましたか?
竹内 同じグループの人だと、レッスンや空き時間に会ったりしました。たまに食事もしました。
-レッスン以外で、それぞれ個別で練習することはありましたか?
竹内 そういうグループもあったと思います。私も4つのうちの1つ、プーランクの曲では、一度、個別練習をしました。ファゴットの方が日本人でオーボエの方がアメリカ人、あとは私、というメンバーでした。
-練習のときは何語で話されていたんですか?
竹内 英語です。私はそんなに長く話せないので、簡単な会話なんですけど、もう一人の方はわりと英語が大丈夫だったので、困った時はその方をかいして伝えていただきました。
-協力してやりとりしながら、練習されたんですね?
竹内 プーランクは1週目はマリー先生が見てくださったんですけど、2週目からは、フランス人のフランク・ルブロワ先生について教わりました。フランスの音楽をフランス人の先生に教わるというのはとても刺激的でした。フランス音楽について熱く語ってくれたことも印象的でした。最初は1音出した瞬間に「それはフランスの音じゃない」と言われたり弾き方やタッチも変えられたりして、大変でしたけど。グループレッスンでExtraレッスンをどんどん入れてみてくださったり、とにかく情熱的な先生でよい勉強になりました。
-いろんな国の先生にそれぞれの曲を教わる感じだったんですね。
竹内 そうですね。
-難しい曲がたくさんあったと思いますが、準備は大変ではありませんでしたか?
竹内 大変でした! 曲をいただいてから出発するまでの時間が短いのであせりました。向こうに行ってからは、けっこう練習もしっかりできたので、最終的にはやりきった感じでした。
練習室にて
-練習はどこでされたんですか?
竹内 講習会場にそれぞれ練習室を割りふられていました。そこの部屋を使わせていただきました。
-どのくらい練習できましたか?
竹内 3人で一つの練習室を使いました。弦の方や管の方はホテルの部屋でゆっくり練習したい・・というのをよく聞きました。自分の場合は他の二人がチェコに住んでいる人だったので、ゆずってもらったりして、部屋が結構使えたんです。日によって違うんですけど、1~2時間くらいから多い日は6時間ぐらい練習しました。
-練習室の施設はいかがでしたか?
竹内 ペトロフというメーカーのピアノがあって、調律が必要な部屋もあったようです。でも自分は、4階の部屋ですごく日当たりがよくて、恵まれた部屋でした。ただ、窓は響くからで開けられなかったので、暑かったです。扇風機はありましたけどね。
-何時から何時の間、使えたんですか?
竹内 朝はたしか8時くらいから、夜は9時まで使えました。
-たっぷり練習できますね。
竹内 そうですね、部屋が空いていればけっこう使えます。
チェスキークルムロフで演奏会
-レッスンの他にはどんなスケジュールがありましたか?
竹内 ベルトラムカ荘や、ブランディース・ナド・ラベム、チェスキークロムロフなど、講習会場以外の場所で演奏したり聴いたりする機会がありました。先生方のコンサートを聴く機会も多く、すごく勉強になりました。
-オペラは何をご覧になりましたか?
竹内 ドン・ジョバンニを全幕観ました。講習会に参加された方でまとまって観に行ったんですけど、座席が一番前から2列目と3列目だったんで、けっこう前よりだったんですけど、すごく近いので、迫力がありました。
-舞台装置もきちんと作られている感じでしたか?
竹内 エステート劇場というで、こじんまりはしているんですけど、ちゃんとしている所でした。
-日本で観に行くオペラとの違いは何かありましたか?
竹内 日本でもそんなに観に行ったりはしないんですけど、客席とステージが一体になったような感じがあって、楽しかったです。
-他にどこか観光はされましたか?
竹内 講習会中は時間がないので、観光は講習会が終わってからしました。
ヴルタヴァ川とお城
-どこかお勧めはありますか?
竹内 プラハ城です。お城の中に大聖堂があって、その中のステンドグラスがとても美しく、荘厳な感じでした。チェスキークロムロフという所も町中がおとぎの国のようで美しかったです。
-プラハの街の治安はどうでしたか?
竹内 安全で、別に怖い思いもしませんでした。プラハは段々治安も悪くなってきたとガイドブックには書いてあったんですけど、そんなこともなく、みんな親切な人たちばかりでした。
-親切にしてくださったんですね。
竹内 どの人も笑顔で接してくれましたね(笑)。そういえば夜の演奏会後に日本の受講生の人とバスで帰っていて、降りなきゃいけないバス停を乗り越して、二つ先で降りたんです。そこからはもう二人とも迷子です。そんなときにたまたま犬の散歩をしていた方にあいまして。こちらが困っているらしいっていうのを感じ取ってくれたみたいで、道を教えてくれました。チェコなまりの英語だったのでこちらもうまく聞き取れなくて。結局、地図やバス停の名前をペンで紙に書いて教えてくれました。バスに乗ったら車掌さんにこの紙を見せて、目的地で泊めてもらいなさいって。
ホテルの外観
-ホテルはどんなところでしたか?
竹内 こざっぱりしていて、きれいなところでした。
-食事はどうでしたか?
竹内 朝はビュッフェでした。7時からだったので、余裕をもって登校できました。
-居心地はよかったですか?
竹内 そうですね、不満はないといえばないので。
-シングルルームでしたか?
竹内 ツインの部屋を一人で使いました。
-そうすると、広く使えましたか?
竹内 すごく広い感じですね。
-何か持っていったほうがよいものはありましたか?
竹内 アメニティグッズがなかったです。ポットみたいなお湯を沸かすものがないので、温かいものが飲みたいと思われる方は、準備してもよいですね。あと絶対持っていた方がよいのが「製本テープ」です。向こうへ行ってから曲の変更や追加がよくあるのですが、楽譜はA4サイズでコピーされます。その他のサイズはあまりないようで。周辺へのショップにもセロハンテープは見かけなかったので、持っているといざという時便利です。
ランチの例・・
-外食はされましたか?
竹内 夜はたまにしましたね。カフェテリアのランチが食べられ、毎日日替わりで3種類から選ぶものでした。
-楽しみですね
竹内 そうですね。
-どんなメニューでしたか?
竹内 ランチは基本的に肉料理で、副菜がパスタなのか米(タイ米)なのかポテトなのかという具合です。味はちょっと濃いめだったり薄めだったりしましたが、大丈夫でした。サラダバーまであったので驚きでした。講習会場やホテルの周りにもわりと飲食店はありましたね。
-お値段はいくらくらいでしたか?
竹内 一食が日本円で千円ちょっとくらいで食べられるんですけど、ボリュームがあるので、おなかいっぱいになります。
-他の受講者の方とご飯を食べに行ったり、交流はありましたか?
竹内 タイミングがあえば行くこともありました。
-今回の留学で、友達はできましたか?
竹内 はい、そうですね。親切にしてくださって、日本に帰ってからも連絡を取り合っています。
-どこの国の方ですか?
竹内 フランスの方です。
エドゥワルド先生(Vc)と
-海外の人とうまく付き合うコツはありますか?
竹内 自分から積極的に話すことだと思います。笑顔で会話をすればいいと思います。
-笑顔は大切そうですよね。
竹内 そうですね。
-宿泊先とレッスン会場の移動はどうしましたか?
竹内 だいたい600メートル弱くらいしかないので、歩いて10分もかからないくらいでした。
-会場の近くに落書きがあって怖かったという話を聞いたのですが……。
竹内 講習会場があった周辺は、落書きが多かったです。プラハ中心部のほうに行くとあまり多くありません。日本でよく見かける落書きが多くある感じと似ています。犬のフンも多かったです。
メトロ・フローラ駅にて
-講習会から交通の定期が出たんですよね?
竹内 簡単な身分証明書のようなものと交通定期をいただきました。地下鉄、トラム、バスの共通券です。バスはだいたい時間通りに来て、わりと便利なのでよく使いました。
-地下鉄はどうでしたか?
竹内 地下鉄のホームへ降りるときが、エスカレーターだったんですけど、すごく長くて急なんです。スピードが日本ではありえないくらいの速さで、戸惑ってしまいました。
-疲れているときは怖いですね。
竹内 ちょっとびっくりすると思います。それから、自分たちは定期を使っていたので大丈夫でしたが、トラム内では観光地域で検問をしていることが多かったです。明らかに観光客という人をターゲットにして検問していました。
-検問されましたか?
プラハの街のトラム
竹内 はい。プラハ城周辺へ行っているときに、検問にあいました。紺のポロシャツに紺のパンツという格好で、一見一般人かなと思いました。
-講習会中に演奏会があったかと思いますが、演奏会ではどの曲を演奏されたんですか?
竹内 全部のグループで出させてもらえたので、4曲で出ました。
-演奏会は皆さんが出演するかたちだったんですか?
竹内 だいたいどれかの演奏会に出してもらえた感じですね。
-会場はどんな場所でしたか?
竹内 音楽学校ホールもあるし、町のホールのときもありましたし、ベルトラムカ荘で演奏させてもらったときもありました。ベルトラムカときはビバルディーの曲を演奏しました。
-これはプラハに行ってからもらった曲なんですよね。
竹内 そうです。少しアレンジして、ボーカル、オーボエ、ファゴット、チェンバロで演奏しました。
ベルトラムカで演奏
-普通のホールとは違う場所で演奏するのはどうでしたか?
竹内 音の響きも全然違いました。そんなに広い場所じゃなくて、サロン的な感じなんで、なかなか日本ではそういう感じのところでは演奏しないので、新鮮でした。
-留学中に何か変わったことはありましたか?
竹内 特にないですね。チェコはEUに加盟したのでユーロが使えるかなって思ったんですけれど。学校の周辺や町でもほぼコルナしか使えない状態でした。あと学校の中に自販機があるんですけど、コインしかダメなんです。お札しか持ってなかった時は不便でした。
-スケジュールで困ったことはありませんでしたか?
竹内 困ることはなかったです。
-ヨーロッパの講習会だと、日本と違って事前に分かることが少なくて困った、といった話を聞きますが、そういった点はいかがでしたか?
竹内 向こうへ行くまでは、事前に分からないことがたくさんあったので不安もありました。スケジュールの変更はよくあるのですが、その都度掲示板に張り出されるのでチェックしていれば、特に困ることはありませんでした。
台湾の歌手と
-今回、講習会に参加されて、よかったと思えた瞬間はありますか?
竹内 体力的にはすごく厳しかったんですが、終わってみると、もう終わったのか、という感じでした。グループのレッスンも、ソロのレッスンも充実していたので、それがすごくよかったです。そして素晴らしい師や受講生との出会いです。音楽も広く深く学ぶことができ、本当に幸せな時間を過ごすことができました。
-今回の留学で成長したなと思えるところはありますか?
竹内 いい意味でおおらかになりました(笑)。今までだったら、演奏している途中にいつもどおりできないと微妙に思うことがあったんです。でも、そういうことがあっても、全体を通して流れがあってまとまっていたらいいんではないか、と思うようになりました。
-そういう気持ちって、精神力が強くないと持てないですよね。
竹内 そうですね。
-音楽観が成長したんですかね。
竹内 どうでしょうか。
ティーン教会
-ほかには何か今までと違うところはありますか?
竹内 グループレッスンでよく言われていたのが、お互いをもっと見て、聴いて感じて、一緒に呼吸を合わせて、ということでした。自分たちはしているつもりだけだったんですね。それ以降今まで以上に意識して、お互いを感じて演奏するようにしました。すると、ある演奏会で、演奏が終わった時にすごくみんなと気持ちが合って終わったと思える瞬間があって、今までとは違う気持ちの良さを経験することができました。
-それができたのは、やはり意識の問題だったと思いますか?
竹内 どうだったんでしょうね(笑)。気持ちひとつということですかね。
-日本で勉強されてきたことと大きく違う点はありましたか?
竹内 日本で勉強してきた方向も、そんなに違ってなかったかもしれません。今までやってきたことの延長線上にある感じでしょうか。ただ、聴衆が違うと思いました。日本では、たいがい微妙にピリピリとした雰囲気があるじゃないですか。向こうはすごくおおらかというか、温かい感じなんです。全然知らない演奏家であっても、どんな演奏でも受け止める、感じてくれる、そういう雰囲気がありました。
-拍手や歓声も違いましたか?
竹内 拍手でもう一回呼び戻されたりとか、ブラボーとか。日本では、そんなことってあまりないじゃないですか。自分では「なんで?」と思いながらも(笑)、とてもありがたかったです。
控え室にて
-聴いていたのは受講生ですか?
竹内 受講生の他に、多分、一般の人もいたと思います。
-そういう人たちも音楽に対しておおらかな感じなんですね。
竹内 多分、音楽が身近にあるんですよね。
-良い土地で、よかったですね。
竹内 そうですね。緑が豊かで、山や川もあって、坂もたくさんあって、日本に似ていると思いました。
-今後、留学を考えている人にアドバイスをお願いします。
竹内 自分は何をしに来ているのか、自分はどんな音楽をしたいのか、そういったことをしっかり持っていたほうがいいかなと思います。
-目標をしっかり持ったほうがいいということですね。
竹内 そのほうが、得ることが多いと思います。それから、受身ではなくて、積極的に自分から働きかけるようにすれば、返ってくるものも多いと思います。せっかく日本を出て勉強できる機会なので、多くのことを経験して帰ってくるのがいいと思います。
チェスキークルムロフ
-なるほど。では、留学前にしておいたほうがいいことはありますか?
竹内 絶対に語学です。あまり話せなくてもなんとかなるんですけど、話せればもっと深く話ができたりもするので、話せたほうがより良いと思います。それから、練習をとにかくしっかりやっていくことです。向こうに行ったら、環境が変わるので、なかなか落ち着いて練習ができないっていう部分もあるし。しっかり練習していくと、教えていただくことも、より深いものを教えてもらえると思います。なので、練習はしっかりなさっていったほうがいいと思います。
-最後に今後の活動のご予定を教えてください。
竹内 今、合唱の伴奏をさせていただいていて、演奏活動もしているので、それを続けていこうと思っています。機会があれば、またこういった短期の講習会に参加できたらいいなと思っています。
-一生音楽は続けていきたいですか?
竹内 はい。
-今日は本当にありがとうございました。