高林将太さん/ジャズドラム/バークリー音楽大学ゲイリー・チェイフィー元教授・アンドビジョン特別プログラム/アメリカ・ボストン

音楽留学体験者でなくては分からないような、音楽大学、音楽専門学校、音楽教室のコースプログラム、夏期講習会、現地の生活情報などを伺ってみます。将来の自分の参考として活用してください。

 

高林将太さん
高林将太さん

高林将太さんプロフィール
高校時代に、軽音楽部でドラムを始める。大阪音楽大学短期大学部ポピュラーコースでドラム・パーカッションを学ぶ。卒業後同大学専攻科器楽専攻ジャズに進学。卒業後は関西を中心にアーティストのサポートドラマーやドラム講師として音楽活動中。ボストンでゲイリー・チェイフィー先生のドラムレッスンを受講。 ローランド京都センターVドラム講師(京都)、田代音楽教室ドラム講師(奈良)。

—  はじめに略歴を教えてください。ドラムはいつ始められたんですか?

高林 高校のときに軽音楽部だったんですが、そこでドラムがいなくて、じゃあ、僕が(笑)とドラムを始めました。高校卒業後、大阪音楽大学短期大学部に入学し、真剣に取り組むようになりました。

—  現在は何をされているんですか?

高林 大学卒業後、ドラム講師をしながら音楽活動をしています。

—  今回、留学されたきっかけを教えてください。

高林 高校のときに音楽の指導をして頂いた先生に相談をしたら、その先生も留学をした経験があって「一度見てきたらいいよ」とアドバイスをしてくださったんです。それから、両親も賛成してくれました。

—  みなさんの後押しがあって留学をされたんですね。

高林 そうですね。

—  今回の留学でゲイリー・チェイフィー先生のレッスンを受講されましたが、先生はどのように選びましたか?

高林 ゲイリー先生は日本でも有名なドラマーで、先生の教則本は日本でも発売されている有名な本です。その本を書いている方っていうのが決め手でした。それから友人がボストンに住んでいることもあって決めました。

—  ドラムを始めたときからその教則本を使っていたんですか?

高林 いえ。キャバレーの仕事に行ったときに先輩のドラマーの方にお勧めされたんです。
 

ゲイリー・チェイフィー先生と
ゲイリー・チェイフィー先生と

—  先生のレッスンの雰囲気はいかがでしたか?

高林 とても真剣にレッスンしてくださいました。

—  先生の叩くドラムは何か特別なものがありましたか?

高林 ええ、それはもう!

—  レッスンではどのようなことを習ったのですか?

高林 先生の教則本を具体的に詳しく指導していただきました。

—  レッスン中は教則本に沿って技術を教えてもらったのですか?

高林 はい、そうですね。

—  本に沿ってということですが、何か曲を使ってということはなかったんですか?

高林 「これはこういう曲で使うと良い」と曲を紹介してくれました。

—  レッスンの場所はどういうところでしたか?

高林 先生のご自宅でした。

—  やはりアメリカのプロミュージシャンのお宅といった雰囲気でしたか?

高林 そうですね。レッスンをしたのはお家の地下室でした。部屋には先生と世界中の一流ドラマーの人達との写真が貼ってあって感動しました。

—  レッスンのときは通訳の方をお願いしたんですよね?

高林 はい、お願いしました。通訳の方も現地でミュージシャンをしている方だったのが良かったです。通訳の方と現地のライブハウスに出演するミュージシャンの情報など音楽の話をすることもできました。

—  先生とはレッスン以外で何か話されましたか?

高林 はい。日本以外からもレッスンを受けに来る方がいる事や先生が参加しているCDでお勧めのCDなど教えて頂きました。帰るときに先生にサイン入りのスティックをもらいました。嬉しかったです。

—  宝物ですね。

高林 はい。もったいなくて使えません(笑)。

—  レッスンを受けて何か変わったことはありますか?

高林 はい。レッスンを受ける前から先生のプレイは知っていたのですが、すごく難しいと思っていたことが、「あぁ、あれはこうやっていたんだ」と理解することができました。難しそうに見えていたことが、実は教わったことを少し応用していただけ、ということをレッスンを通じて学べました。

—  細かいやり方を教えてくださったんですか?

高林 そうですね。

—  留学中はどちらで練習されていたんですか?

高林 ボストン市内です。

—  都市部ですか?

日本で生活していた事もある練習室スタッフと
日本で生活していた事もある練習室スタッフと

高林 いえ。「静かな場所だったので、こんなところにスタジオがあるんだ!」というようなところでした。スタジオに置いてある楽器がいい楽器で、休憩するところもとてもキレイで日本のスタジオよりもいい環境でした。それから、オーナーの方が日本語を話せる方だったのも良かったです。帰りにはスタジオのTシャツをいただきました。

—  いろいろもらったんですね。

高林 はい(笑)。

—  向こうでレッスン以外の時間は何をされていたんですか?

高林 友人が通っている音楽大学を見学したり、ライブを見に行っていました。買い物も行きました。CDをたくさん買いました。先生のCDも買いました。

—  あちらでしか手に入れられないような貴重なものもあったんですか?

高林 ええ、そうですね。

—  見学されたお友達の学校はどちらなんですか?

高林 バークリー音楽大学です。

—  見学されてみていかがでしたか?

高林 ドラムは生徒用の大きなロッカーがあって、ドラムの学生はそこから自分の楽器を持ち出して練習しているのを見て、さすが! と驚きました。

—  他には何か見学されましたか?

高林 学生のライブを観に行きました。

—  向こうで他にライブを観に行きましたか?

高林 はい。ボストンに住んでいる友人のライブを観に行きました。楽しかったです。僕と同世代の人たちでした。

—  留学中、何か思い出に残ることはありましたか?

高林 ストリートミュージシャンです。バケツをいっぱい並べてドラムスティックで超高速で叩いていました。他には通りすがりにドーナツをもらいました。レッスンに行く途中にバスを待っていたら話しかけられたんです(笑)。僕は英語を話せないので“ I can't speak English. ”って言ったらドーナツをくれたんです。

—  ええーっ! なんだか聞いていると危険な印象を受けるんですが、こわい感じはなかったんですか?

高林 いえ、全然(笑)。留学する前にアメリカはこわいとか危ないという話を聞いていたんですが、留学中、危険だと感じたことは一度もなかったです。

—  スリなどの被害に遭うこともありませんでしたか?

高林 大丈夫でした。危ないと感じることもなかったですね。いい人ばかりでした。一度迷子になってしまったんですが、年配の女性の方が目的地まで一緒に連れて行ってくれました。それ以外でも、困っているといろんな人が声をかけてくれて助けてくれました。

宿泊先で
宿泊先で

—  宿泊先からレッスンの場所まではどのように行かれたんですか?

高林 地下鉄とバスで通いました。

—  交通機関で日本との違いは感じましたか?

高林 乗車賃の仕組みと切符の買い方が違いました。僕が使っていた地下鉄はどこにいっても2ドルで、毎回切符を買うのではなくてカードにチャージして使っていく形でした。

—  カードはどこで購入できるんですか?

高林 地下鉄の改札で購入できます。最初に買うときに少し戸惑いましたが、英語が話せなくても大丈夫だったので、困ることはないと思います。

—  バス停もわかりやすいですか?

高林 はい。大きく“T”書いた看板がありました。

—  向こうで何か出会いはありましたか?

高林 友人に紹介してもらったナイジェリアの方にパーカッションを教えてもらいました。帰国した後もメールで連絡し合える友達になりました。ドラムショップの店員さんとも仲良くなって、連絡先を交換しました。

—  きさくな方が多いですね

高林 そうですね。

—  海外の方とうまく付き合うコツはありますか?

高林 はっきりと意思を示すことだと思います。わからないならわからない、こうしたいならこうしたい、イヤならイヤとはっきり言うことが大事だと思いました。

—  海外の方と接していて何か困ったことはありますか?

高林 英語が使えた方がよかったですね。

—  英語の勉強はされて行かれたんですか?

高林 いえ、英単語が載っている本に目を通した程度です。その本は向こうにも持って行きましたが、とても役に立ちました。

—  他に何か持って行って役に立ったものはありますか?

高林 スリッパです(笑)。飛行機が長いのでスリッパだと楽でした。

—  留学してよかったことはありますか?

高林 レッスンを受けている間、受けた直後、その後の練習で自分の成長を感じました。今後どう練習していけばいいのか見えてきました。ゲイリー先生にはヨーロッパからも習いに来る人も多いんです。

—  機会があればまたレッスンを受講したいと思いますか?

高林 ええ、そうですね。

—  留学まえにやっておいたほうがよかったことはありますか?

高林 具体的な話になってしまいますが、先生の『パターンズ』という教本のうち『タイムファンクショニングパターンズ』という紫の表紙の教本をしっかりやっておけばいいです。

—  留学を考えている人に何かアドバイスをお願いします。

高林 迷っている人は、とりあえず行ってみたほうがいいと思います。

—  行くことで何か動き出すことがありますか?

高林 はい。世界で名前が通っている先生にレッスンを受けたことが自信になります。僕は生で先生の演奏を見ているし、レッスンもしてもらったという経験がとても大きなものになりました。それは一生心に残る良い経験だったと思います。

—  最後に今後の活動の方針を教えてください。

高林 今は関西中心なんですが、全国どこででも活動できるようになっていきたいです。ドラムはもちろん、色々なコースがあり、生徒募集もしていますので良かったらインターネットなどで検索してみて下さい。

—  今日はありがとうございました。

高林 ありがとうございました。

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