菅野力さん プロフィール15歳よりフルートを始める。洗足学園音楽大学大学院課程途中で、ドイツへ留学。

ドイツ語とフルートの研鑽をしつつ、スイス国立チューリッヒ芸術大学を受験。

審査員満場一致の首席にて入学。現在同大学院に在学中。

菅野さん　15歳からフルートを始めて、洗足音楽大学を卒業しました。

菅野さん　大学一年生の時に、海外の人が集まるマスタークラスみたいなのがあって、秩父であったんですけど、一週間くらいあって、それに参加させて頂いた時に、その海外の先生から指導を受けて「ああっ、いいなあ」と思って。

菅野さん　違いましたねえ。全然、違いました。

菅野さん　褒めて伸ばすと言うか。勿論、言うことは言うんですけど。チラホラ。ちゃんと見てくれてるんだろうなあっていうのが分かりましたね。だからですかねえ。

菅野さん　勿論、御社にお世話になり、フライブルクで音楽の勉強をし、プライベートのレッスンを受けて、その間に、いろんな所、大学に「レッスンしてください」っていう連絡をして、返事がきた所に片っ端からレッスンしてもらいに行って、受験校を絞ってって。街の雰囲気とか物価とかを見てきて、受験校を絞って、一番受験が早かったチューリッヒに受かってしまったので、ここになったんですけどね。はい。

菅野さん　スイス早いですね。

菅野さん　そこはちょっと目をつむりました。

菅野さん　チューリッヒの入試が4月の終わりで。でも、結果が5月の頭に出て、「大学に入りますよ」という書類を送るのがもう6月の末で、6月の末からドイツの入試が始まるんですよね。だから、ちょっと危ない橋渡れないなって思って。蹴ってドイツの学校受けて落ちてもあれだなあと思って。やむ得ずではないですけど、もちろん。はい。

菅野さん　フライブルク音大、カールスルーエ、マインツ、フランクフルト、ワイマール、ハンブルク、シュツッガルトですかね。

菅野さん　はい。内返ってきたのが、カールスルーエとマインツ、フランクフルトとワイマール。

菅野さん　4つ。

菅野さん　はい。ちょうどなんか教授が変わるとかで。はい。

菅野さん　受ける予定で。直接行って。

菅野さん　いや、もうドイツ語が読めなかったから。サイトからオンラインで申し込んだりする。

菅野さん　マインツはメチャクチャ大変でした。結局、出願できませんでした。

菅野さん　はい。

菅野さん　紙。オンラインでやる時に、まず、オンラインの用紙、サイトのどこにあるのか分からない。ドイツ語読めないから。

菅野さん　半年です。

菅野さん　うっすらは読めましたけど、凄い時間がかかるんですね。やっぱり。要項とか読むのに。

菅野さん　大変なことになるんで。

菅野さん　試験内容は、もう入試じゃないみたいでしたね。凄いアットホームな感じで、どこの入試もそうでしたけど。3校受験したんですけど。バーゼルとフランクフルトとチューリッヒはどこもフレンドリーというか、「いらっしゃい」みたいな「よく来たね」みたいな。最初に演奏する曲は絶対選ばせてくれて｡これどこもそうらしいんですけど。「どれからやりたい？」って聞かれて、「あっ、じゃあこれ」って言って。次の日指定されるんですけど。終始和やかに。

菅野さん　チューリッヒは5人いましたね。

菅野さん　学校の先生。フルートだけじゃなかったと思います。ちょっと偉い人とか。

菅野さん　みたいな。はい。もいましたね。

菅野さん　フルート科のチューリッヒは先生が3人いるんですけど、クラスの伴奏者の中から出てましたね。

菅野さん　突然。突然というか、勿論合わせなし。ぶっつけ。勿論、初対面ですし。

菅野さん　運もありますよ。やっぱり。

菅野さん　勿論います。それで苦労したというのも時々聞きます。

菅野さん　15分見積もってるみたいですね。

菅野さん　とおしゃべりして、面接まではいかないけど。「この学校入ったら何やりたい？」みたいなとか、簡単なことを聞かれました。

菅野さん　僕は4曲。5曲準備してって、2曲吹きました。

菅野さん　1曲フルで吹いて、モーツアルトのコンチェルトを指定されて。最初の曲は全部吹かせてくれて、モーツアルトのコンチェルトは1楽章ですね。

菅野さん　難しいことは聞かれませんでしたね。僕でも理解できたので。

菅野さん　無いです。「この学校に入ったら何をしたいか？」みたいなことだけ聞かれました。

菅野さん　後から通知でしたね。ただ、その場で言われる科もあるみたいです。

菅野さん　みたいですよ。楽器によって違う場合があるみたいんですね。

菅野さん　メチャクチャ多いです。

菅野さん　僕の時は、でも、40人ぐらいですかねえ。

菅野さん　チューリッヒはマスターとゾリステンっていうのがあって、日本でいう博士課程みたいな。大学院の上の入試が一緒にやって、それが40人来て、マスターは多分3人。ゾリステンが3～4人ですかねえ。

菅野さん　ゾリステンは2つプログラムがあって、オーケストラディプロム、オーケストラ奏者になる為の科みたいなのと、ソリストを目指す科っていうのがあって、この2つがスペシャライズドマスターみたいな感じになってて、それが要は、ゾリステンみたいな感じで言われるんですよ。ドイツだと、コンツェルト・イグザーメンみたいな言い方をすると思うんですけど。

菅野さん　凄かったですねえ。

菅野さん　いえいえ、まぐれです。

菅野さん　（無言でうなずく）

菅野さん　いやいやいや、全然。

菅野さん　うーんって感じですけど。

菅野さん　いや、それはもう出願ですね。

菅野さん　出願。

菅野さん　ちょっとモチベーションレターって言うんですか。「なんでここを選んだか」っていうのと「大学で何をしたいか？」「将来何になりたいか？」

菅野さん　手書きで。

菅野さん　1ケ月掛かりました。とりあえず日本語で書いて、一応つたないドイツ語書いて、語学学校出て、先生に添削してもらって、赤ペンがメチャクチャ入って。ほぼ赤ペンだったかな。最初。で直して、また赤ペン入れてもらってっていうのの繰り返しでしたね。

菅野さん　勉強になりました。

菅野さん　スイスはビザが大変ですね。

菅野さん　大学の手続きは特に問題はなかったですけど、滞在許可証をもらうのが、もう3ケ月かかりました。

菅野さん　スイス全部来た時から。はい。

菅野さん　ドイツには8月の末まで住んで、9月1日からお引越しをして。夏、去年帰ってきて、次ビザなしでドイツに入って。でも、その時にワーホリのビザが一応失効してもらったんですよ。もうその時に突っ込まれて、「このビザは何だ」って言って。「アルバイト、仕事証を見せろ」みたいに言われて。「いや、持ってないよ」って言ってて、「じゃあ、これがあるんだ」って凄いもめましたね。

菅野さん　拒否されるところでした。ほんとに危なかったです。

菅野さん　かもしれないです。

菅野さん　さすがドイツだなとか思って。

菅野さん　適当ですよ。

菅野さん　イメージはあったんですけどね。もう崩れましたね。適当。

菅野さん　また違う。なんか大らかな適当というか。「ああ、いいよ」みたいな。

菅野さん　規則もゆるかったり、人によって言ってることが違ったり。

菅野さん　運ですね。

菅野さん　メチャクチャ大変でした。

菅野さん　いや、なんかそれがスイス滞在許可証を下りるのに、残高証明出さなくてはいけなくて、その額が2万1000フランなんですね。日本円だと約250万です。特に何も記入は無かったので、とりあえず日本の口座に250万入れて、英語で文書出してもらって。証明書を。それを出したら、「これじゃダメだ」って言われて。よくよく読んでみると、日本の銀行だったらスイスに支店のある大きい銀行。例えば、「三菱UFJとかに入れろ」って言って、文書が返ってきて、それで、そこから三菱UFJに新しく口座を作って、そこに250万入れて証明出してもらって、それを送ったら、「それもダメだ」って言われて、「なんでだ」と。そこでちょっともめて、役所に行って、「これは何でダメなんですか？」って聞かれて言って。そしたら、多分それ人が違ったのかなんか分からないですけど、「スイスの銀行じゃなきゃダメだ」って言われて、「スイスにある銀行じゃなきゃダメだ」って言われて、「話が違うじゃないか」って言って。「こっちに支店のある日本の銀行だったらいいって聞いたんだけど」って言って、「僕には分からない」とか言われて、「とにかくスイスの銀行じゃなきゃダメだ」って言われて、「新しく作りなさい」と言われて、それで作りました。銀行口座を開設して、そこに国際送金してもらって、証明書出して送って、やっとビザが来ました。

菅野さん　ありました。

菅野さん　載ってたんですよ。UFJも。

菅野さん　おかしいなと思って。

菅野さん　厳しい人だと、とことん厳しいですね。

菅野さん　手紙が来て、「これじゃあ、ビザ下せません」って。「こういう理由で」っていうのを書いて。

菅野さん　はい。その都度行って。それ呼び出し状ではないですけど。自分が意味が分かんなかったら、直接聞きに行って。

菅野さん　面倒臭かったですよ。ほんとに。

菅野さん　はい。また、9月になったらビザ更新しなきゃいけないんで。また、国際送金しないと。

菅野さん　大変です。

菅野さん　家賃が500フランで。800フランぐらいですかね。11万ちょっとぐらい。

菅野さん　頑張ってます。

菅野さん　もう抑えて抑えて抑えてます。

菅野さん　自炊。外食は出来ない。スイスは。

菅野さん　そうですね。一人普通のレストランでご飯を食べたら、そうですね、30フランはいきますね。

菅野さん　日本人は3千後半はいきます。絶対いきます。

菅野さん　だったら、まあスーパーのサンドイッチだったら。

菅野さん　高いです。このぐらいのサンドイッチが500円ぐらいですかね。ケバブはドイツの倍します。

菅野さん　フラン高いですねえ。ほんとに。

菅野さん　はい。

菅野さん　1500フランぐらいですかね。

菅野さん　1ゼメスター。まあ日本に比べたら全然安いです。スイスはその中で1500の中に。スイス国民だったらもうちょっと安いんですよ。外人用のなんか学費があって、込みで1500ぐらい。

菅野さん　卒業までに取らないといけない単位があって、主管のレッスンと副管のレッスンと、あともう1個レッスンがあって、週3回は絶対レッスンがあります。あと、取りたかったらドイツ語の授業とか、選択授業も取らなきゃいけないので、結構あります。

菅野さん　結構あります。

菅野さん　あります。もちろん。音楽史とかもちろん。義務ではないですけど。選択授業ですから。あくまで。あとは、僕が取ってたのは、例えばバロック後期のテレマンとかエマヌエルバッハの作品を取り上げて、アナリーゼしていこうみたいな授業とかトリルのかけ方がこうだとか、アーティキュレーションの取り方がこうだとか。

菅野さん　面白いっす。凄い勉強になります。とかっていう授業がありますね。

菅野さん　勿論です。でも、あんまり試験はないですね。

菅野さん　はい。

菅野さん　そうですね。その前に口頭試問があります。僕、次ゼメなんですけど。

菅野さん　そうなんですよ。

菅野さん　10月に集中講義があって。4日間ぐらい。それが音楽史みたいな授業内容なんですけど、その中から口頭試問です。これは、もう音楽史を答えろって。

菅野さん　だいぶ語らないといけない面接があって、それ落ちるとちょっとヤバイです。卒業できないです。あとは論文。

菅野さん　論文があるんですよ。知らなかったんです。入るまで。論文書かなきゃいけない。

菅野さん　結構。15枚って言ってたかな。A4で。

菅野さん　フォントでかくしてやろうかなと思って。

菅野さん　何でもいいです。

菅野さん　はい。勿論、音楽のことですけどね。例えば奏法とか、吹いてる時の身体の状態みたいなのでもいいし。勿論、作曲家の作品を取り上げてもいいし、何でもいいみたいですけど。

菅野さん　はい。大変です。もう。

菅野さん　います。います。

菅野さん　とても充実してます。

菅野さん　次で。次はもうヤバイっす。

菅野さん　ほんとに。時間がない。最後のゼメスタが来年の2月から始まるんですけど、しょっぱなに卒業試験。

菅野さん　非公開の一回目の卒業試験があって。

菅野さん　2回です。ゼネスタの始めと終わりに。始めが非公開で、最後が公開のリサイタルをやって、晴れて卒業です。盛りだくさんですね。

菅野さん　あっという間です。

菅野さん　ほんとに。

菅野さん　まず、書けるのかなあっていう心配があります。

菅野さん　してますけど。ぼちぼちなんです。

菅野さん　はい。

菅野さん　結構いますよ。ピアノ科が多いですかねえ。

菅野さん　もありますね。ドイツほどじゃないですけど。結構いますね。前いたフライブルクは凄い日本人がいたので、それに比べたら。

菅野さん　でも、結構います。20人ぐらいいるのかな。

菅野さん　全学科全コースで。

菅野さん　学校の雰囲気、どうだろうなあ。環境ということですか？

菅野さん　校舎がばかデカいんですよ。

菅野さん　凄いデカイんです。たぶん隅から隅まで歩いたら1万歩いくんじゃないかってぐらいデカイです。

菅野さん　ちょっと盛りましたけど。けど、凄いデカイんですよ。なんか今年から僕が入った年から、去年の9月から全部一つの校舎になったみたいで。

菅野さん　そうなんですよ。移動して芸術全部、音楽、美術、舞台、バレエ、デザイン、フィルム/映画等々。

菅野さん　メチャクチャあります。

菅野さん　が1個の校舎になって。

菅野さん　はい。でも、凄い良い雰囲気の所です。トラブルもないし。

菅野さん　スイス人は少ないですね。逆に。

菅野さん　留学生の方だ全然多いと思います。　

菅野さん　アジアですね。やっぱ。

菅野さん　日本もそうですけど、中国人多いですねえ。

菅野さん　そうです。

菅野さん　勿論いますけど、やっぱり圧倒的ですね。中国は。

菅野さん　勿論います。ハンガリーとか、勿論ドイツもいますし、あとフランスとか、いろんな所から来てます。

菅野さん　か英語か。

菅野さん　はい。勿論、毎週あるわけじゃないですけど、その都度メンバーが新しく召集されて、何回か練習やって本番みたいな感じですね。　

菅野さん　指揮者が、まずドイツ語喋れない人って聞くんですよ。でも、チラホラ手が挙がるんですよ。やっぱ。そういう場合は、なんかドイツ語で最初言って、もう一回英語で言い直すみたいな。

菅野さん　ちょっと。でも、基本的に英語ですかね。みんな英語は分かるみたいなんで。僕は分かんないですけど。

菅野さん　理解はできるけど、喋れないです。

菅野さん　はい。

菅野さん　日本帰ってきて思ったんですけど、いろいろ違うなと思って。まず、電車が混んでる。

菅野さん　凄い苦労しました。ここまで来るのに。

菅野さん　こんな混んでたっけと思って。

菅野さん　はい。ビックリしました。

菅野さん　してないです。

菅野さん　もっとまばら。全然まばらです。

菅野さん　はい。あとは、なんかやっぱり日本人ってせかせかしてるなあと思って。

菅野さん　凄い思いました。日本帰ってきて。今。　

菅野さん　のんびりしてるし、って言うか仕事しないし。

菅野さん　全然っす。全然ではないけど。

菅野さん　もう20時にはもうみんな。

菅野さん　土曜日はやってますけど、18時には閉まりますかねえ。勿論、お店にもよりますけど。日曜日はもう基本的に。

菅野さん　全然やってない。

菅野さん　だから、日本のコンビニって有難いなと思って。夜もやってるし、いつ行ってもやってるし、品揃えいいし、安いし。

菅野さん　コンビニめいたものは、キヨスクっていうのが一応あってメチャクチャ高いんですよ。

菅野さん　例えば、500ミリリットルのコーラがスーパーだと1.3フランなんですけど、キヨスクだと3.5フランになるんです。倍以上。

菅野さん　分かんないです。勿論、全部の値段が違うんですよねえ。スーパーと。

菅野さん　サンドイッチもメチャクチャ高いし、キヨスクで買えないです。

菅野さん　ほんとに非常事態にしか使えないです。

菅野さん　はい。

菅野さん　ほんとに不思議です。

菅野さん　引っ越す前は、僕、5月に引っ越しをしたんですよ。御社で探して頂いたビンタテゥーアの物件は家でも練習が出来てので、大家さんがメチャクチャ良い人で。今もたまに連絡を取ったりするんですけど。その大家さんは部屋でやっていいよと。

菅野さん　朝8時から夜11時ぐらいまで。

菅野さん　僕がいる間は全然なかったですねえ。はい。

菅野さん　そうでもないですけど。日本ほど近くもないですけど。でも、そんな離れてるわけでもなく。でも、全然苦情が来なかったし、大らかなのかなあと思って。

菅野さん　僕が上手いとか全然そんなんじゃないです。絶対違います。今住んでる所は、今、学校から自転車で20分ぐらいのとこに住んでるんですけど。今、チャリ通してるんですよ。

菅野さん　頑張ってます。

菅野さん　鍵かけて。ぐるっぐるに巻いて。やっぱあるみたいで。

菅野さん　はい。

菅野さん　勿論あります。家にもあって、家では今練習ができないので、その分学校で。はい。

菅野さん　24時間使えます。学生は。

菅野さん　勿論いますけど。学生証があって、学生証をかざすと開くっていうシステム。ここに番号とかが付いてて、これ当てると。

菅野さん　ねえ。　

菅野さん　僕、凄い痩せたんですよ。

菅野さん　はい。

菅野さん　これ、去年ですよ。これ。

菅野さん　はい。それが10キロ痩せました。スイスで。

菅野さん　分かんない。何ででしょうねえ？あんまり食べなかったから、食欲も落ちていって。一日一食あればいいようになっちゃって。

菅野さん　分かんないっす。まあ、でも。まあまあまああ。

菅野さん　そうですね。絶対戻ります。で、スイス帰って、また痩せて。

菅野さん　朝6時半頃起きて、お昼と夜のお弁当を作って、学校行って1日こもります。でも、その間にレッスンとか授業とかあって練習して、日付が変わるぐらいに、23時ぐらいに帰ってきて寝る。

菅野さん　6時間ぐらいですか。それでも最低6時間。

菅野さん　いやいや。ストイックにやっていかないと。

菅野さん　もともとちょっとあったと思いますけど。今、もう完全にもう。なんか勿体ないですよね、なんか。せっかくその留学してレッスン受けれてって。毎週レッスンがあって、なんか毎回毎回同じ曲持ってって同じこと言われてじゃあ、凄い勿体ないじゃないですか？時間も限られてるし。だから、なるべく吸収して、早く次の曲次の曲ってやっていかないとなあと思って。

菅野さん　いやいや。勿体ない。

菅野さん　全部そこです。　

菅野さん　勿論、上手くなりたいっていうのもありますし、とにかく勿体ない。時間が。

菅野さん　それは自分のさじ加減ですけど。先生は別に何を持ってきてもいいみたいな。だから、いるんですよ。何回も同じ曲を持っていく生徒も。なんか2週間に1回クラス内でおさらい会みたいな、みんなの前で曲を弾くっていう機会があるんですけど、1カ月経ってもまた同じ曲やってみたいなのもいます。だから、「なんかちから払うの早いよね」とか言われるんですけど、「普通だよ」とか言って。そう。時間を無駄にしたくないんで。全てそこです。

菅野さん　もう全然学校にいます。日曜日こそ1日こもりますね。何にもないんで。お店もやってないし、娯楽もないし、高いし。日曜日こそ。

菅野さん　しないですね。

菅野さん　先生からたまーに仕事をもらったりとか。

菅野さん　オケではないですけど。小さい小さいほんとに教会で吹くとかですかねえ。なんか真面目にやってれば見ててくれる人がいるんだろうなあっていうのは凄い思いましたね。一年で。ひたすら真面目に。

菅野さん　そしたら、なんか声はかかる。それを期待してるわけじゃないですけど、勿論。でも、そういう事もあると。はい。

菅野さん　しますします。勿論、コンクールも。先生がもういくらでも受けろと言う先生で。先生によっては、まだ今は基礎をやりたいからちょっと待てみたいに言う先生もいるんですけど。僕の場合は、どんどん受けてこいって言って。

菅野さん　そうですね。はい。大変でしたね。大変でした。

菅野さん　4月なんか1ケ月で3回コンクール受けたんですよ。

菅野さん　ありつつ。勿論。レッスンも行きつつ、終わったらすぐ帰ってきて授業受けて、レッスン受けて、またすぐ行ってみたいな。4月は大変でした。

菅野さん　内外で。4月の頭にスロベニア、中頃にオランダ、終わりにスイス国内のコンクール。

菅野さん　慣れてきましたけど。

菅野さん　スロベニアがメチャクチャ良かったですね。

菅野さん　まぐれです。まぐれです。

菅野さん　賞金はまあ微々たるものでした。まあ10万ぐらい。

菅野さん　そうですね。今度、ポーランドのオケでコンチェルトやります。

菅野さん　副賞で。

菅野さん　11月かな？もう、すぐ決まりました。

菅野さん　いやいやいやいや。

菅野さん　スロベニアのコンクールは大変でした。木管楽器部門っていうのがあって、フルート部門だけじゃなくて、年齢別のカテゴリがあるんですよ。僕は、年齢制限がない一番古いカテゴリに出たんですけど。そこのカテゴリの中から、一人だけファイルなるに進めるんですね。だから、何部門あったのかな？7部門ぐらいあって、年齢別で。カテゴリがあって。勿論、該当者がいなかったカテゴリもあるんですけど、大体1位が出てきて。あと、金管部門と室内楽部門からもカテゴリ別に全部1位が出てきて、そのファイナルがあって大変でした。

菅野さん　ねえ。どういう判断基準なんだろうなあと思って。

菅野さん　はい。僕は、その中でグランプリを頂きまして。

菅野さん　第1位ですね。

菅野さん　1位です。

菅野さん　1位です。

菅野さん　はい。

菅野さん　ポーランド行ってきます。11月に。

菅野さん　ですよねえ。もう。

菅野さん　ポーランドはどこなんですかねえ？

菅野さん　ドイツの隣、チェコじゃないかったでしたっけ？

菅野さん　こっちか。ドイツがあってチェコがあって、こっち？

菅野さん　こっちか。東欧か。

菅野さん　どこにあるかも知らないです。

菅野さん　スイス治安いいんで。

菅野さん　なくはないですけど。でも。

菅野さん　日本の方がいいです。日本もなんか変じゃないですか。最近。

菅野さん　物騒ですけど、日本の方がいいかなあ。

菅野さん　スイスは物乞い自体いませんね。物価が高いんで、浮浪できないんですよね。こうやって街頭で集めるその微々たるお金じゃ生活もできないんで。ほんとに。サンドイッチすら買えないんで。ほんとに。だから、いないですよ、基本的に。浮浪者とか物乞いは。ですね。ただ、その浮浪者もちゃんと生活できてる日本は凄いなあと思います。やっぱり。

菅野さん　でも、やっぱり音楽を勉強しに来てるんで、モチベーションは日本の音大よりも絶対高いと思います。ただ、その中でもやっぱりピンキリはあります。でも、みんな積極的だと思いますよ。

菅野さん　ノリですかね。

菅野さん　勢い。

菅野さん　あんまり考えるなってことですね。なるようになります。

菅野さん　もういっぱいありますよ。いっぱいってこともないな。例えば、海外のコンクール受けて結果残した時もそうですし、あとは、教会で吹いたりするんですけど、日本じゃないじゃないですか。教会自体も少ないし、その中でバッハとか吹いて、「300年前もこんな感じだったのかなあ」とか思ったりして。そうすると、なんか気持ち的に豊かになります。日本じゃあ、ちょっと味わえないかなあと。

菅野さん　違います。　

菅野さん　建物なんかちょっとホコリっぽいんですよね。臭いが。分かります？なんか。空調も勿論ないんで。まんま石みたいな。その感じがいいんですよねえ。また。分かります？

菅野さん　もうメチャクチャあります。ゴロゴロあります。こういう建物は大体教会です。結構ツンツンしてるんで。

菅野さん　街の中にも普通に教会があって。礼拝とかあるのかな。日曜礼拝とか普通にやってるみたいなので、至る所にあります。

菅野さん　毎週ではないと思うんですけど、例えばちょっとミサをやったりとかかなあ。毎週やってる所もあるのかなあ。分からないですけど。でも、結構やってるとは思います。教会で演奏会をやったりするんですよ。礼拝とかとは全く別で、演奏会をやる。

菅野さん　そうそうそう。場所として演奏会をやったりとかして。いいですねえ。

菅野さん　出来ないですねえ。はい。

菅野さん　やっぱりストイックになりましたね。成長した所、たぶん何があっても動じないと思います。今。例えば、なんか予想外のことが起きるんだよ。やっぱり。「なんでそうなるの？」っていうのがあるんですよ。ビザのことに関してもそうですし、手続きが遅かったりとか。「なんでそうなるの？」っていうのが多々あったしね。ドイツに行った時もそうだし、だから、あんまそのぐらいと思って流せると思います。

菅野さん　というか何というか。ですかねえ。

菅野さん　やっぱなんか些細な事だなあと思って。

菅野さん　まあ、このぐらいいいじゃんって感じになりますね。

菅野さん　大らかというか何というか。

菅野さん　はい。

菅野さん　来年卒業なんですけど、あと2ゼメで卒業なんですけど、さっき言ったスペシャライズドマスターというのに取り敢えず進学しよいうかなあと思ってて。最初は、やっぱり日本帰ってきたいなあと思ってたんですけど、やっぱり留学してると、もっとこっちにいたいなあと思うようになってきて。

菅野さん　スイスは2回大学修士課程をやると、もう大学に行けないんですよ。その大学を変えるとかじゃなくて、スイス国内で2回修士課程をやるとダメなんですよ。そのスペシャライズドマスターというのは一応マスターに入るんで、2回やったらダメなんですよ。だから、あと3年あるんですけど僕、スペシャライズゾマスター2年と残り1年。その間になんとか仕事というか見つけられたらいいなあと。スイス国内じゃなくても。勿論オケで。向こうでソリストとして食ってくのは凄い難しいと思います。オケ入るより難しいんじゃないかなあと思います。分からないですけどね。やっぱり自分マネージメントしてないととかいろいろ。はい。と思います。

菅野さん　ドイツの方がそれは多いですけど、でもやっぱり上手いです。

菅野さん　スイスで。収入の面でも。

菅野さん　好きにやんなって。

菅野さん　ただ、やっぱりあんま迷惑かけたくないので、返さなくていい奨学金とかを借りれたらいいなあと。例えば、文化庁とかヤマハ音楽財団とか。それに通る為に、今、コンクールをメチャクチャ受けてます。

菅野さん　はい。なんとか結果を残さないと。

菅野さん　「じゃないとダメです」って文化庁の人に言われて。「じゃないと通りにくい」って言われて。だから。キャリアが大事と。

菅野さん　はい。今、計ってます。

菅野さん　とりあえず、海外に出ることじゃないですかねえ。

菅野さん　はい。なんか、僕、海外に出るって決めるのに凄い時間がかかったんですよね。結局、ズルズルズルズル行って。

菅野さん　そうそうそう。凄い、要は怖かったんですよ。なんか。怖かったっていうか、ビビッてたっていうか。やっぱり、自分の知らない世界だし、言葉違うし、文化違うし。だから、やっぱりなんか最初の一歩っていうのがなかなか踏み出せなくて。でも、行ってみたら何のことはなくて。何のことはないわけではないですけど、思ってたより「あっ、こんなもん」みたいな感じ。日本で悩んでたこと、「いろいろ大丈夫かなあ」みたいなあ。来てみたら全然ってことがあるので、悩んでたら取り敢えず、その語学の準備でもいいし、いきなり受けるでもいいし、とにかく出ることじゃないですかねえ。海外に。じゃないと始まらないと思います。日本でウジウジしてても。これほんとに。体験談です。

菅野さん　ほんとに早く行っとけばよかったなって思います。勉強する時期が早ければ早いほどやっぱりいいので。それは後悔してます。

菅野さん　1年空きました。1年大学院に行って、辞めて。その1年がなかったらって思うと。1年間無駄にしたって思ってませんけど、でもやっぱり1年間こっちの大学に行くんだったら、海外に行っといた方がよかったなあって思うんですよね。やっぱり。

菅野さん　と思います。その後のことは、その後考えればいいです。

菅野さん　それは凄い学びました。受験の準備をしてる時に。

菅野さん　そう。ほんとに。いいんです。それで。

菅野さん　はい。

菅野さん　いえいえいえ。こんなんでいいんですかね？

菅野さん　精進します。

■■■コンサート情報■■■

Capricinq Ensemble

【日時】7月27日(月)　18時30分 開演 (18時00分 開場)

【出演】Flute 菅野 力 Oboe 久保 一麻　Clarinet 野田 祐太郎 Horn 大河原 頌太　Fagott 森田 大翔

【曲目】

☆W.A.モーツァルト//自動オルガンのためのアダージョとアレグロ K.594

☆C.ドビュッシー//小組曲

☆M.ラヴェル//クープランの墓

☆F.メンデルスゾーン//弦楽四重奏曲 第1番

【場所】ミューザ川崎 市民交流室 ［JR川崎駅より徒歩5分］

【料金】 ¥2,000

チケットのお問い合わせは、このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。までお願い致します。

菅野力 フルートリサイタル

【日時】8月4日（火）　18:00開場　18:30開演

【場所】江崎ホール

【共演】山本詩織(ピアノ)、Capricinq Ensemble

【曲目】藤の蔓は天に絡まり...フルートとピアノの為に(山下久幸)、Suite Op.34(ヴィドール)　ほか

【料金】　一般2,000円　大学生以下1,500円　　

【問合せ先】　菅野　ＴＥＬ054-667-2670（18：30以降）