真田脩史さん/ピアノ/ニューヨーク・サミット・ミュージック・フェスティバル/アメリカ・ニューヨーク
-現在までの略歴を教えて頂きたいと思います。
真田脩史 ピアノを5才の時に始め、中学校2年生の時にバイオリンを始めました。(音楽高校ではなく)普通の高校に進学して、今は九州大学の経済学部に通っています。
-ピアノは週にどれぐらいとか、レッスンの回数とかは?
真田脩史 レッスンは月に2回くらいですね。練習は毎日やっています。
-素晴らしいですね。今回の講習会に参加を決めたということですね?
真田脩史 そうですね。
-今まで講習会等に参加したことはありますでしょうか?
真田脩史 こういう音楽の講習会はないですね。初めてですね。
-海外に行かれたことは、今までにありますでしょうか?
真田脩史 海外に行ったのは、高校3年生から大学1年生の春休みの時に1回カナダにホームステイをしたことがあったくらいです。
-あとは、ご旅行とかで?
真田脩史 いえ、ないですね。
-じゃあ、そのカナダに行かれたご経験があるということですね?
真田脩史 はい、そうですね。
-この講習会に行きたいと思った理由とかキッカケは何だったのでしょうか?
真田脩史 いろいろあるんですけど、大きく分けて2つです。
今、僕は大学4年生で、来年から社会人になるんですけど、
社会人になると、やっぱりピアノもバイオリンもそんなに好きに思う存分できないので、
学生最後の思い出というか、学生最後の年にいっぱい音楽をしたいというのがあったんです。
あともう一つは、このアメリカニューヨークの講習会を選んだ理由でもあるんですけど、
僕が入る会社は結構英語が必要な会社なので、英語の勉強もしたいですし、ニューヨークということで、アジアからもヨーロッパからもいろんな人が来るという環境で
一回勉強してみたいなあというのがあったからこの講習会を選びました。
-実際に行ってみて語学とかはどうでしたか?
真田脩史 あとで多分話すことになると思うんですけど、先生が日本語喋れるという環境だったのでそこまで不自由しませんでした。
でも、それ以外の時は結構英語は喋っていたので英語経験という点でも丁度良かったかなという感じですね。
-参加者はどれぐらいの人数がいらっしゃいましたでしょうか?
真田脩史 最初の一週間目が一週間集中コースという形で、あと残りが二週間あったんですけど、一週間で帰っちゃう人とか、二週間目から来る人というの2パターンの参加者がいました。
一週間目は多分ピアノだけで言うと、多分15人ぐらいしかいなかったんじゃないでしょうか。
-講習会全体で?
真田脩史 講習会全体で言っても多分、40人ぐらいかなと。
凄いこじんまりしてたんですけど、二週間目からは100人ぐらい増えて。
やっぱり大きな講習会だったので、140人くらいは多分いたんじゃないかなあと思います。
-参加されている方はどんな方がいらっしゃいましたでしょうか?
真田脩史 幼くても中学生以上です。例外で小学校高学年の人もいましたが少数派です。音大卒業した人もプレスクールとかに通ってる人もいろいろいたんですけど、音楽家を目指してる人はやっぱり多いなという印象はありました。
-講習会のスケジュールはどのように組まれていましたでしょうか?
真田脩史 人によりけりかなと思うんですけど、基本的にレッスンは週に2回2時間と、他にも特別レッスンがあります。
特別レッスンは先生がレッスンをいっぱいして下さったのもあるし、他の先生から見て頂いたのもあるから、毎日レッスンしてるような生活でハードでした。もしかしたら暇な人は暇だったと思います。
-自分の行動しだいではレッスンも増えるという形ですね?
真田脩史 多分そうですね。
-先生はどんな方でしたか?
真田脩史 ほんとに家族のように接してくれる人でした。初対面にも関わらず大事にして下さいますし、レッスンも非常に丁寧に見てくださります。
それでいて昔は世界で活躍されていた方なので、全然見たことないような弾き方をする人でしたし、いい先生でしたね。
-レッスンではどんな事を教わりましたか?
真田脩史 レッスンはほんとに基礎から教えて頂いて、鍵盤のタッチの仕方から教わりました。
あとはピアノの仕組みとか、全く考えたこともなかったんですけど、
ピアノのハンマーの仕組みだったりとか、そういう所からも一からほんとに丁寧に教えて頂きました。
-また考え方がちょっと変わりますね。教わった中で印象に残っていることは何かありますでしょうか?
真田脩史 タッチの仕方にも関係するんですけど、演奏中もそうですし、
本番の時に、如何に体をリラックスできるかの秘訣が一番印象に残っています。
タッチを通じて体をリラックスさせる方法とか教わったので、そういう事が印象に残ってます。
-レッスンは全部英語ですか?日本語も話される先生だったんですよね?
真田脩史 そうですね。ほんとに半々ぐらいでした。結構簡単な言葉は日本語で話されるのですが、難しい込み入った話になると英語で言って頂いた方が分かりやすいので、「In English Please」と「英語で」とお願いしました。
日常のコミュニケーションは結構日本語で、レッスン中は結構英語が多かったかなあと。
-先生は、なんで日本語がお上手なんでしょうかね?
真田脩史 日本の講習会にも結構参加されたことがあるのと、あと奥様が日本人の方で。
-練習はどちらでされましたか?
真田脩史 講習会中はほんとに大学内各所にいっぱいピアノがあるので、基本的に割り当てられた部屋というのはアップライトピアノの部屋でしたが、グランドの部屋もレッスンで使われていない時間もあったので、学校内のいろんな場所で練習してました。
-空いてるお部屋で結構練習ができるということですね?
真田脩史 はい。
-どれぐらい練習できましたか?
真田脩史 いや、全く不自由はしなかったです。練習したいと思う時はピアノ探しに行って。
-じゃあ、ほんとに音楽漬けの毎日という感じですね?
真田脩史 はい。
-レッスン以外の時間は、何をしていましたか?
真田脩史 レッスン以外の時間はほとんど練習してました。。
ほんとは英語の勉強もするために、結構勉強の本も持って行ってたんですけど、ほんとにレッスン以外の日中というのはほとんど練習してました。
レッスンが多い分、その次のレッスンの為に練習しなきゃいけないので。
夜は、日本人のバイオリンの先生が講師として来られたりしていたので、そういう先生方と喋ってたりもしていました。
-現地で知り合われた方ともコミュニケーションの時間を取られて、日中練習で、夜はいろいろ周りの方と過ごされてたということですね?
真田脩史 そうですね。
-街の様子は如何でしたでしょうか?
真田脩史 僕はニューヨークには2回しか行ってないんですけど、街の様子はそこまで変わった印象は受けませんでした。
学校の周りは凄い静かな住宅街という感じです。
凄い静かな場所だったので、夜歩いてても全然怖くないですし。
-周りは家とか、ほとんど住宅という感じですか?
真田脩史 住宅もそんなに多くなくて。
-緑が多い感じですかね?
真田脩史 そうです。緑が多い感じでしたね。
-交通の便とかは?
真田脩史 交通の便はそんなに良くなかったと思いますね。
学校から1時間に1本しか出てないので、バスは使いませんでした。町に出るときはタクシーを呼んでいました。
-最寄の駅までタクシーでどれぐらいでしたか?
真田脩史 日中だと10ドルぐらいなので、4人で乗ったらそっちの方が安かったです。
夜だと16~17ドルぐらいでしたので、そんな高くなかったです。
-10分ぐらいで着きますか?
真田脩史 15分ぐらいですね。
-先程、ニューヨークのマンハッタンの方に2回ぐらい行かれたということですけれども、どちらに遊びに行ったりしましたか?
-宿泊先はどこに泊まりましたか?
真田脩史 それは全部学校の寮でしたね。
-寮の居心地は如何でしたでしょうか?
真田脩史 結構、部屋数多かったおかげで一人部屋の人が多かったんですけど、僕も一人部屋だったんで凄い居心地は良かったですね。
-人の目をあまり気にせずに。
真田脩史 そうですね。ほとんど気にしなかったですけど。
-じゃあ、結構ラッキーでしたね。
真田脩史 そうですね。
-宿泊先と講習会場(レッスン会場)までは、どのように移動してましたでしょうか?
真田脩史 同じキャンパスの中なので公共機関などは不要でした。徒歩30秒という感じで全然移動はなかったですね。
-カフェテリアと寮とレッスン会場と、距離的にはそんなに離れていない感じですかね?
真田脩史 多分全然離れていないですね。徒歩1~2分内という感じです。
-キャンパス自体も端から端まで歩いても、そんなに距離はかからない感じですかね?
真田脩史 キャンパスは物凄い広くて、キャンパスだと端から端まで歩くと多分10分ぐらいかかる感じなんですけど、講習会で使う建物は密集していたので苦労しませんでした。
-じゃあ、会場自体が近場に設定されてたという感じですね?
真田脩史 はい。
-ご飯は何を召し上がりましたでしょうか?
真田脩史 講習会で付いてるご飯は3食全部バイキングだったので、ほんとに自由に食べていました。。
しかも、先生方も「こんなにご飯が美味しい講習会はない」と仰っていて、アメリカの中では美味しい方らしいです。
なので、食にも不自由することなく過ごせました。。
-良かったんですね。ちなみに、どんなメニューがありましたでしょうか?
真田脩史 ほんとに炭水化物はご飯が出てこないので、結構ピザとパンで炭水化物を摂取して、やっぱりお肉が多いなという印象です。
でも、サラダバイキングとかもあったので、僕は結構サラダを食べてましたね。
-結構、健康的なものも食べれるということですよね?いいですね。
真田脩史 そうですね。良かったです。
-外食とかはされましたか?
真田脩史 外食は学校内はお酒が飲めないので、先生と先生のお弟子さんと一緒に、外のバーとかに行きました。
あとは、アメリカから帰国する帰りにニューヨークでちょっとお昼を食べたぐらいですね。値段的な観点では、学校の近くのバーは全然高くなくて、日本と同じぐらいかなという感じでした。
でもやっぱり、ニューヨークのご飯食べる所は、多分東京よりも高いんじゃないかなあって思います。。物価は高かったですね。
-学校の周りに徒歩圏内にバーとか、そういった食事ができる所もあるということですかね?
真田脩史 そうですね。毎晩先生達によるコンサートがあってたんですけど、その先生方の打ち上げの行きつけのバーみたいな所があって、そこは徒歩20分くらいで行ける距離ぐらいでしたね。
-プライベートでも先生といろいろ交流されたということで、凄い充実してますね。
真田脩史 はい。
-海外の先生方も含めて、人達と上手く付き合うコツとかはありますでしょうか?
真田脩史 そうですね。とりあえずニコニコしとくことと、言ってることが分かんない時は割と遠慮なく言っても全然何も問題ないので。
-ちゃんと言葉で伝えるということは大切ということですね。あちらの講習会の参加者の方で、お友達とかはできました?
真田脩史 結構いっぱいできました。
-いろんな多国籍の方でしたか?
真田脩史 そうですね。韓国とか台湾から来た人もいれば、アメリカのカルフォルニアとかヨーロッパのスペインから来た人とも結構友達になれたので楽しかったです。
-結構いろんな所からいらっしゃってますね。
真田脩史 ほんとにいろんな所から来てましたね。アメリカの講習会はアジア系が4割ぐらい占めてたかな。やっぱり、中国人・台湾人が凄く多かったので。
-何か留学中に困ったことはありましたか?
真田脩史 留学中困ったことは、多分ほとんどなかったんじゃないですかね。(練習しかしてないので)困る機会がありませんでした。
-困ったことがないなんて素晴らしいですね。ほんとに充実してた講習会だったということで。
真田脩史 そうですね。はい。
-今回、いろいろと良い話を聞いたんですけれども、参加して良かったと思える瞬間はありましたでしょうか?
真田脩史 いっぱい舞台とか立たせてもらったので、自分が弾いてる時とかレッスンしてもらった時とかも嬉しかったんですけれども、
やっぱり一番嬉しかったのは、同じ大学生とか、まだ高校生の人とかが、物凄い完璧な演奏をする子の演奏を聴いた時ですかね。
日本ではそのような人はなかなか見ることが出来ないので。
コンクールとか見に行くと、そういう子がいたりするんですけど、
コンクールって評価される為のだから結構大人しく弾いてる子も多いように感じます。。
それに対してアメリカだとやっぱり見せること・パフォーマンスが、凄いって子が多くて、(勿論技術も素晴らしいんですけど)そういう子が見れた時は一番「ああ、来て良かったな」と思いましたね。
-日本と違う弾き方というか文化の面も出てますよね。
真田脩史 そうですね。
-今回の留学を通して、「何か自分が変わったな」とか「成長したな」という部分はありますでしょうか?
真田脩史 もちろんピアノはほんとに上達したなあと思いました。
-何か内面からというか、他にありますか?
真田脩史 「成長」とは言えないですが、一番実感したことは「プロにならなくて良かったな」ということでした。
プロの方々が音楽をどういう気持ちでやってるのかというのを直に触れることが出来たので、凄い茨の道と言ったらおかしいですけど、厳しい世界だということを改めて実感しました。
音大を卒業してもまだその講習会に来てる人とかもいらっしゃるのですが、
ほんとにそういう人達でも相当上手いので、「音楽の世界で生きていくのって大変なんだなあ」というのを直に体感できました。
-日本と留学先アメリカで大きく違う点を教えて頂ければと思います。
真田脩史 全てが違うといったら大袈裟かもしれないですが、全く違うように感じました。
ほんとにアメリカは自由というか、挑戦する人にはチャンスを与える国だなあっていうのは、凄く感じましたね。
何でも「やりたい」と言えばやらせてくれました。
日本はどちらかと言えば保守的だと思うんですけど、アメリカは歴史が浅く、さらに人のチャレンジによって生み出された国だとも言えるので、チャレンジ精神を大事にしているのかもしれないと感じました。。
レッスンとかでも、やっぱりそういう姿勢が評価されるように思いました。。
技術云々ではなくて、アメリカ留学した時はやる気が大事なんだなあと感じました。
あとは、やっぱり宗教というのも大きく関わってくるんだなあって。
日本では宗教が人間関係に影響を与えることはあまりないと思うんですけど、アメリカだと先生達でも公に「あの人は~~教だから~~できない」とかって言っています。
「異文化理解には宗教が欠かせない」というのを感じましたね。
-そうですね。そこら辺もだいぶ日本と違いますよね。今後、留学する人達に何かアドバイスしておきたいことありますでしょうか?
真田脩史 やっぱり、日本で出来る準備というのは、しっかりしていった方がいいかなと思いますね。
ただでさえ向こうに行くと、予想外のことがいっぱい降って来るので。
例えば、今回の僕の例だと「バイオリンも弾け」と急に言われるといったような予想外のことがたくさんあるんですけど、
英語の準備とか、ピアノの練習とかを出来る限り事前にやっておくことで、そういう予想外の所にも対応できる余裕というかスペースが出来ると思いました。
よく言われることですが、事前準備は留学を充実させるコツだと思います。
-具体的になんか「これはしといて良かったな」とか「持って行って良かったな」とかってありますか?準備も含めていろんなこと。
真田脩史 一番持って行って良かったなと思ったのは日本のお菓子ですね。
僕お菓子がすごく好きなんで日本のお菓子をたくさん持って行ったんですよ。
それでも二週間ぐらいですぐ無くなっちゃって、「あと一週間どうしよう」とか思って。
あと、結構日本人の先生の方とか参加者の方もみそ汁とか、非常食用のおにぎりとかあるみたいで、そういうのを持っていくと息抜きにもなるって言っていました
-現地のお菓子は、やっぱり甘いですかね?
真田脩史 そうですね。あまり口に合う物とかがなくて。
凄い甘い系のは甘いですし、チョコレートとかも向こうのは苦手でした。
日本で売ってるドリトスとかティーパスとかそういうお菓子だと、まだまともかなっていう感じです。
-ポテトチップス系は?
真田脩史 そうですね。ポテトチップス系はあんまり分かんなかったです。
-留学前にしっかりやっておいた方がいいこと。
真田脩史 もしかしたら一度国内の講習会に参加した経験があればより良かったかもしれません。今回の講習会はとっても良かったんですけど、どれぐらい良かったのかがあんまり分からない。
せっかくアメリカに行ったのに、その講習会自体がどれぐらい凄いものなのかがあんまり実感がわかなかったのです。
比較対象がないことも一因にあると思うので、参加する上で日本の講習会にも一度参加しといた方が良かったかなあというのは正直思いました。
日本の講習会にどのような限界があるか知ってこそ、海外の講習会に参加するメリットがわかるわけですし。
-今後の活動、進路等ありましたら教えて頂けますか?
その中でも、やはりピアノとバイオリンはもちろん続けていこうかなあと思ってますね。
-これからも職業ではないですけど、ずっと続けていこうという形ですね?
真田脩史 そうですね。
-あと何か全体的な感想がありましたら、教えて下さい。
真田脩史 アメリカに行くというのは初めての経験だったんですけど、アンドビジョンさんだったり先生だったり、
いろんな沢山の方の御蔭で行けたなあというのは凄く実感しているので、ありがとうございました。
-こちらこそありがとうございました。