清水春菜さん/声楽/ニース夏期国際音楽アカデミー/フランス・ニース

清水春菜さん/声楽/ニース夏期国際音楽アカデミー/フランス・ニース清水春菜さん プロフィールお茶の水女子大学 文教育学部芸術・表現行動学科音楽表現コース卒業、同大学院修了。2008年度推薦新人演奏会に出演。
オペラではこれまでに「フィガロの結婚」スザンナ役、「秘密の結婚」カロリーナ役、「魔笛」童子Ⅰ役、「修道女アンジェーリカ」托鉢修道女役などに出演。
第40回フランス音楽コンクール第3位入賞ならびに大阪日仏センター=アリアンス・フランセーズ・大阪賞、フランス総領事賞。
第14回長江杯国際音楽コンクール 一般の部A 第2位(1位なし)。第4回東京国際声楽コンクール 歌曲部門入選。
第44回東京国際芸術協会新人オーディション合格、奨励賞受賞。コンセール・ヴィヴァン新人オーディション合格。
第37回ウィーン国立音楽大学夏季セミナー受講、修了演奏会に出演。ニース夏期国際音楽アカデミー修了。
これまでに声楽を林廣子、中村浩子、林田きみ子、神谷明美、多田羅迪夫、フランツ・ルカソフスキー、木村聡の各氏に師事。コンセールC会員。
-簡単な自己紹介からお願いします。
清水 中学1年生から声楽をはじめて、大学はお茶の水女子大学の教育学部の音楽科へ進学し、そのまま大学院に進みました。卒業後は音楽とは関わりのない職場に就職したのですが、演奏会やオペラに出演したり、コンクールを受けるという形で演奏活動を続けています。
-今まで講習会にご参加されたことはありましたか?
清水 大学院の2年生の時に、ウィーンで行われている講習会に参加しました。
ヨーロッパへは旅行の経験はありましたが、声楽のレッスンを受けに行くのは、その時が初めてでした。
-今回はニースの講習会でしたが、これを選んだ理由やきっかけは?
清水 大学院を修了してからフランス歌曲を勉強する機会が増えたので、フランス語圏で講習を受けたいと思っていました。一緒に参加したKさんと、仕事の夏休みが取れる時期にフランスで行われている講習会を探しました。
-ニースの講習会の参加者はどれくらいいましたか?
清水 全体の参加者は分からないのですが、私が受けていたクラスだとアントワーヌ先生の方は日本人3人とフランス人の学生さん2人の5人のクラスです。ヴィダル先生の方は日本人3人と他国籍の方が7人(ロシアから3人、フランスから1人、中国から2人、スロべミアから1人参加)、全部で10人でした。
-講習会のスケジュールはどんな感じでしたか?
清水 初日は19時からミーティングがあるということだったのですが、14時に行ってみたところミーティングは出なくて構わないと言われました。手続きも5分で終わってしまったので、その日は学校からバスで移動してシャガール美術館に行きました。
次の日からはアントワーヌ先生は朝10時からで、ヴィダル先生のレッスンが14時集合でした。
アントワーヌ先生の方は完全に個人レッスンだったので、レッスン室のドアに貼ってあるリストに、レッスンの希望時間と名前を書いて、順番を決めました。
ヴィダル先生は基本的にグループレッスンで、別のクラスの男性の先生との合同でレッスンが進みました。
-みんなで一緒にという感じですか?
清水 そうですね。ヴィダル先生の方は、呼吸法や発声をメインに教えてくださって、その日によって内容も進め方も違ったのですが、だいたい1日3~5時間くらい、ワークショップのような形でレッスンが行われました。通訳の方に何時間もずっといていただくのも申し訳なくて、どうしたら良いのか少し悩みました。
-ワンレッスンがボリュームがあったということですか?
清水 そうですね。ヴィダル先生は基本的に14時から17時、時には20時近くまでレッスンがあり、歌う順番なども突然指名されるので気が抜けませんでした。レッスンのスケジュールについては通訳をやってくださった女性、ニースの音楽院のピアノ科にいらっしゃる方に大変お世話になりました。
-1対1のレッスンは1時間ですか?
清水 アントワーヌ先生の方は、40分から45分を火曜日から日曜日まで6日間という形でした。
-そちらも通訳をつけて?
清水 いえ、アントワーヌ先生は以前来日された際にレッスンを受けたことがあり、英語で大丈夫だと分かっていたので、英語で問題なくレッスンできました。ヴィダル先生もレッスンの内容自体は英語でほぼ理解できたのですが、レッスン場所や時間が毎日変わったりするので、スケジュール的な交渉や、こちらからの細かいニュアンスの質問については、通訳の方に助けていただきました。
-レッスンは全部英語で行われていたのですか?
清水 そうですね。
-先生はどんな方でしたか?印象に残っていることなどはありますか?
清水春菜さん/声楽/ニース夏期国際音楽アカデミー/フランス・ニース清水 ヴィダル先生とペアを組まれていた男性の先生も含め、私がレッスンを受けた3人の先生は、褒めて伸ばすタイプの指導でした。もちろん厳しいこともおっしゃるのですが、よくなった所を大げさに「今のは素晴らしい!絶対忘れないで!」と褒めてくださるので、とても分かりやすかったです。特に発声は日本でも同じようなことを注意されていたのですが、テクニック面について理論的な説明と同時に完璧なお手本を見せてくださるので、非常に理解しやすく、勉強になりました。ただ私とは別のクラスを受けていた友人は先生がフランス語しか話してくれないので、苦戦していたようです。
-先生によっても違うのですね。
清水 初めてレッスンを受ける先生でしたら、フランス語に自信がなければ通訳の方についてきていただいた方が何かと心強いなと思いました。
-レッスンでこんなことを教わりましたとか、日本と違ったことなどはありますか?
清水 アントワーヌ先生はピアノの先生ということで歌曲しか見ていただけないかなと勝手に思っていたのですが、実際はアリアでもフランス語以外の曲でも全て見ていただけました。曲はある程度歌い込んだものを持っていくのが前提なので、曲全体を大きくとらえて味付けしていく、という感じでした。10曲ほど持っていったのですが、レッスンがどんどん進んでいくので、最後の方は曲が足りなくなってしまって慌てて予備の曲を練習したりしました(笑)。
ヴィダル先生の方は逆に発声を教えて下さる感じなので、レッスンで見ていただくのは1、2曲でした。私は2曲見ていただいたのですが、主に注意されたのは腹筋の使い方です。1回の腹筋の動きで発声も発音も同時に行う感覚が、ヴィダル先生のレッスンを受けて身についたように思います。
-実りあるレッスンだったのですね。レッスン以外の練習はどのように行ったのですか?
清水 練習室は一部屋につき3人というように割り当てられていて、ドアの所に何時から何時まで使いたいと書いて予約するようになっていました。ただ、私の部屋はクーラーがつかない部屋だったので、暑い時間帯はKさんの部屋で一緒に歌わせてもらっていました。
-クーラーがないと暑いですか?
清水 そうですね。東京ほどではないのですが、さすがにクーラーがない状態で歌い続けるのは辛かったです。
-ではお友達の練習室で?
清水 はい、Kさんの部屋に同居して歌わせてもらっていました(笑)。
-練習自体が足りなかったとかは?
清水 Kさんと協力して互いに時間をずらして練習室を取るようにしたので、やりたいのに練習室がなくて困るということはなかったです。また空いている部屋を勝手に使っても大丈夫そうでした。
-練習やレッスン以外の時間は何をされていたのですか?
清水 朝の8時半くらいのバスに乗って9時過ぎに学校に到着、アントワーヌ先生のレッスンが10時からだったので、少し発声をしてからレッスンを受けていました。お昼を食べて14時からヴィダル先生のレッスンを受け、17時頃に終わる、というのが1日のだいたいの流れでした。ただ、ヴィダル先生のレッスンは通訳の方の時間もあったので、18時以降に日本人だけでまとめてみましょうという日もありました。そのような時はマティス美術館や海に行ったりしました。また、講習会が終わった翌日はエズ村まで足を延ばしました。
-街の様子はいかがでしたか?
清水 治安は心配ありませんでした。ホテルの場所も大通りに近くて安心して帰れる場所だったので、とても良かったです。夜は21時頃でようやく夕暮れ時の明るさなので、レッスンが終わったのが20時過ぎでも、街まで夕食に行くことができましたし、日が長かったので、1日を有効活用できました。
-ホテルで困ったことなどはありましたか?
清水 冷蔵庫がなかったので、飲み水の確保に悩んだのですが、近くのパン屋さんや屋台では冷やしたペットボトルが売っていましたし、食堂の共用冷蔵庫なども借りられそうでしたので、解決しました。
寮に泊まっていた友人は、クーラーがなかったのでかなり暑くて大変だったようです。しかもヨーロッパの寮には網戸もないので、窓を開けると虫がどんどん入ってきて、朝、虫の羽音で目が覚めたという話も聞きました(笑)。また、Wi-Fiが通じると聞いていたのに、今年からそのサービスがなくなって困っていました。
-ホテルでは問題なく使えましたか?
清水春菜さん/声楽/ニース夏期国際音楽アカデミー/フランス・ニース清水 私はWi-Fiをレンタルして持って行ったので、特に問題はありませんでした。KさんはホテルのWi-Fiを利用していました。
-Wi-Fiのルーターをご自身でレンタルしていったのですか?
清水 そうです。空港で借りていきました。
-それがあって助かった感じですかね。
清水 そうですね。学校の中は基本的にWi-Fiがないので、学校の中で調べものをしたいとか連絡をとりたい時に役立ちました。手続きも思ったより簡単だったので、持っていった方が便利かなと思いました。
-宿泊先から講習会会場まではバスで?
清水 トラムとバスで移動しました。
-迷ったり困ったりはしませんでしたか?
清水 最初はバスの時刻表の読み方をわかっていなくて(笑)。時刻表に書かれた時間に行けばいいのかなと思っていたのですが、それはそのバス停の時間ではなく、出発地を出る時間だったんですね。このバス停に来るのは10分後だから…と自分で計算する必要があると途中で気がついて、分かってからはスムーズでした。土日は本数が少ないので気をつけなければなりませんが、思ったよりも時間通りンに運行していました。トラムは本数も多く便利でした。
-お食事は朝はホテルで?
清水 朝はホテルで。お昼は学校の近くにお店がないので、毎朝、ホテルの近くのパン屋さんで買っていきました。夜は旧市街の方へ出て、毎日違ったお店へ行くのが楽しみでした(笑)。通訳の方にも、お勧めのお店の情報を教えていただきました。
-お食事はどうでしたか?
清水 胃が荒れたり、日本食が恋しくなるかと心配していましたが、毎食美味しく食べられました。
-他に伝えておきたいことはありますか?
清水 コレペティの先生の授業は基本的にピアノ専攻の方が受けるというイメージがありましたが、実際に受講してみると、コレペティの先生のクラスは全員が声楽専攻の方でした。先生にもよると思うのですが、声楽のクラスは曲を作るのではなく、発声の基礎を、それもグループレッスンで教わることが多いようです。
私は去年参加したピアノの友人から、ニースでは声楽の人がコレペティのレッスンを積極的に受けていると聞いていたので、今回受講して本当に良かったです。
パンフレットなどに「声楽のクラス」、「歌曲とピアノのためのクラス」と書かれていると、声楽の人はどうしても前者を選んでしまうと思うので、具体的なレッスンの内容も併せて書いていただけると良いかな、と思いました。
-参考にさせていただきます。やはり日本とは感覚が違う所があるのかもしれないですね。
清水 発声の基礎から学びたいという人にはもちろん声楽のレッスンがいいと思うのですが、ある程度曲をみてもらいたい、できあがっている曲を仕上げたいというのであればコレペティの先生なのかなと思います。余裕があれば両方受けることをお勧めします。
-他にはいかがですか?
清水 心配していたような、フランス語しか通じないということはなく、クラスメイトも英語を話してくれました。ヴィダル先生のクラスは特にレッスン時間や場所が頻繁に変わったりしたので、クラスメイトと仲良くなって、「先生をロビーで待ち構えてついていこう!」と張り込んだりしました(笑)。
-海外の人ともうまくコミュニケーションがとれたのですね。
清水春菜さん/声楽/ニース夏期国際音楽アカデミー/フランス・ニース清水 はい、英語でもなんとか理解してもらえました。英語があまり得意ではないので、最初は恥ずかしかったのですが、伝えたいことを分かってもらえて嬉しかったです。
-講習会に参加してよかったことは?
清水 日本でもずっと、腹筋を使ってとか、お腹で支えて、と言われていたのですが、抽象的な表現が多くて「なんとなく分かった」という状態で何年も歌ってきていました。それをヴィダル先生に呼吸の仕方から修正され、上半身をほぐすための動き、具体的にお腹のどの位置を使えば良いのか、口の中のどこを上げるのが正しいか、お手本を見せながら指導していただけて、非常に勉強になりました。また、アントワーヌ先生にも、旋律を繋げる、歌詞を発音するという基本的な技術に、ヴィダル先生から指摘された腹筋の支えが不可欠だと気付かされました。今までぼんやりとしていた理想の歌い方が、はっきりとした輪郭を持てたことで、私にとって大きな財産になりました。
-自分が変わったな、成長したなと思うのはその点ですか?
清水 そうですね。行く前は治安や言葉の点で不安だらけでしたが、行ってしまえば毎日がとても楽しく充実していたので、また機会があればぜひ行きたいなと思いました。
-今後留学される方へのアドバイスはありますか?
清水 自分でも苦手なので申し上げにくいのですが(笑)、英語はやはりできる方が良いと思いました。飛行機の中で単語と簡単な言いまわしを覚えていくだけでも大分違うと思います。もちろんフランス語もできるにこしたことはないのですが…
曲に関しては、器楽の方にとっては当たり前かもしれないのですが、曲のレパートリーの幅を増やしておいた方が良いと実感しました。
自分にはこの曲が合っている、と思ってレッスンに持っていっても、先生の目から見ると「合っていない」と言われてしまうことも多々あります。明日が最後の発表会という時に「この曲はあなたに合っていないから違う曲にしましょう」と言われて、あわてて楽譜のコピーをしている人もいました。なるべく曲の幅(言語、作曲家、年代全てにおいて)は広めに、予備の曲も持っていくようにするのが良いと思います。
現地でも楽譜の調達は可能ですが、かなり手間がかかっているようでした。まず学校の図書館にはコピー機がないので、図書館でパスポートを提示して楽譜を借り、学校から徒歩15分のスーパーまでコピーを取りに行くことになります。ただしニースのコピー機はどこもA4サイズで1枚ずつしかコピーできないので、楽譜はなるべく日本で製本まで済ませていった方が良いと思います。ちなみに楽譜を返却しようと思っても、図書館は14時から17時までしか開いていませんでした(笑)。
-他にはありますか?
清水 やはりホテルは何かと便利でした。街に出やすいのでレッスンの合間に観光や買い物をするのも気軽にできました。もちろん、他の楽器を専攻している友人ができたり、寮には寮の良さがあると思います。
-今後の目標などはありますか?
清水 一緒に参加したKさんや大学時代の後輩たちと一緒に、来年3月7日にすみだトリフォニーでフランス歌曲の演奏会を行う予定です。勉強してきた成果を活かせるようにしたいと思います。
-ぜひがんばってください!応援しています。

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